星の数より多く、君に愛を伝えたい。

夜ご飯を食べた後、わたしは窓を開けて星を見上げる。

夜風がふっと吹いてきた。
夏が近いというのに、なんだか冷たいな。


見上げても、どれがどの星座かわからない。


ほんと、星座っていうのは複雑。

でも……恋はもっともっとわからない。


向こうは、こっちが好きかどうかなんてわかんないし。
何をすればいいか分からないし。


星よりも、恋するハートの方がもっともっと複雑で分からないんだね。



「お姉ちゃん?」



瑠奈と美奈が、目を丸くしている。



「ん? どうしたの?」



「お姉ちゃんこそ。いつもだったら、『今日も星が綺麗』なんて言ったりするのに、今日は無表情で何も喋らないんだもん」



しまった。
いつも一緒にいるから、様子がおかしいことはバレるんだなあ。



「ううん、別に、なんもないよ」



わたしは、首を横に振った。


ここで凹んだりしたらダメだ。
瑠奈と美奈は、まだ小学生なんだから。

心配なんてかけさせないように、ちゃんとここでもお姉ちゃんをしていないと。




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