星の数より多く、君に愛を伝えたい。
翌日。
わたしは、ぼんやりした頭で昨日のことを思い出していた。
『あんなにかわいくてまっすぐな子、わたしが勝てるわけないよ……』
あれから莉音は、帰り道を歩いている時もそう言って泣いていた。
それなのに慰めの言葉をかけられなかった自分が、腹立たしくて。
わたしは、夜に星を見上げても気がついたら目線は下に行っていた。
「2人とも、大丈夫? 今日は安静にしなさいね?」
寝間着のまま、歩いていると瑠奈と美奈の部屋におばさんがいた。
見てみると、瑠奈と美奈は苦しそうな表情をしてベッドに入っている。
「はぁい……」
「あれ、どうしたの?」
その声に、おばさんがわたしに気が付いた。
「ああ、輝美。2人とも、熱を出しちゃってね」
2人揃って熱か。
夏休み初日なのに、可哀想だなあ。
「それにしても久しぶりね、2人で一緒に熱を出すだなんて」
体温計を見ながら、おばさんはそう言った。
「瑠奈が37度9分、美奈が38度3分ね……」
美奈の方が、ちょっと熱が高いのか。
まあ、美奈はもともと平熱が姉妹で1番高いもんね。