星の数より多く、君に愛を伝えたい。

翌日。
まだ瑠奈と美奈は、熱がひいたばかりで外には出られないけれど今日はおばさんが仕事がなかったということで大丈夫だった。

わたしは、部活があったので学校に行かなくちゃいけなかったからね。



「望月」



呼ばれた声がしたので見てみると、そこには松岡くんの姿だった。



「松岡くん!」



……松岡くんは、何しに学校へ来たんだろう。



「どうしたの? 松岡くんも部活?」



松岡くんは、サッカー部に入っているけれど部活の紙を見たところ、この時間ではなかったような気がする。

こないだ配られたプリントでは、どの部活の内容もざっと書かれてあったからね。



「夏期講習だよ」



確かに、9月に受験する人もいるからね。
その人中心に、夏期講習を開くとプリントにも書かれてあった。



「あー、そっか!」



「親がさ、『勉強しろ』『夏期講習行け』うるさくてさ。まあ、そんなうるさい親がいる家の中で勉強より、こっちの方がはかどるしいいんだけどさ」



松岡くんは、そう笑った。



「でも部活もあって大変だね」



「いーよ。ちゃんと弁当も持ってるし、行ったり来たりはめんどいだろ」



そう言った松岡くんの手には、青い巾着袋がある。
その中がお弁当かな?




< 97 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop