僕はペットで離婚を決めました
それから夜も耽って…。
「さぁ、そろそろ寝るか」
寝室に向かう謙。
洋室にベットがあり、2人で寝れるダブルベッドが置いてある。
カーテンは厚手の紺色のカーテン。
クローゼットがあり、衣類はそこに閉まってある。
以前から使っていた寝具であるが、新しい場所であるがゆえに新鮮に感じる。
ベッドにゴロンと寝転ぶ謙。
青色のパジャマは、美奈と色違いのお揃いのパジャマである。
カチャッ。
美奈が寝室にやって来た。
が…。
小太郎も一緒に連れてきた。
「え? 」
寝室にも連れて来るのか?
と、謙は思った。
「小太郎も一緒に部屋で寝たいみたいなの。夜泣きしたら、近所に迷惑かかちゃうから。ゲージに入れて小太郎も一緒に、ここで寝かせるね」
と、美奈はゲージを用意して小太郎を入れた。
「おやすみ、小太郎」
美奈は謙の隣に横になった。
電気を消して。
「謙ちゃん。今日ね、チャンスなの」
美奈が謙の耳元で囁いた。
「ん? チャンス? 」
「そう、子供作るチャンスよ。あと2年よ、20代のうちに子供産みたいって言ったでしょう? 一ヶ月でも早くがいいもの」
「そっか」
見つめ合う謙と美奈。
お互いの唇が重なって。
チュッと可愛いキスの音が寝室に響く。
お互い触れ合って、パジャマを脱がせて行く…。
肌と肌が触れ合って…
心地よい体温を感じている…。
「く~ん…く~ん…」
ん?
何か聞こえて謙が動きを止めた。
「どうしたの? 」
途中で止まった謙に美奈が言った。
「く~ん…く~ん…」
これは…もしや?
謙が振り向くと。
ゲージの中の小太郎が、出してほしそうに立ちあがっていた。
「く~ん…く~ん…」
小太郎の泣き声に、美奈も気づいて起き上がった。