Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜
それから、翠は同期ともうまくいかず、女性社員ともうまくいかず仕事の愚痴や相談は基本的に俺にしてきた。
俺に話すとスッキリするらしい。俺は会話ができるだけで十分だった。
お互いに無我夢中で仕事をして気がついたら大きな仕事任されるようになっていた。
翠を悪く言っていた女子社員たちはほとんど退職や寿退社していった。
翠は努力家で、顧客からも絶大な信頼を受けよく表彰されていた。
「仕事一筋」で「恋愛」のれの字も出てこないことに安心した。
一方の俺は、翠との距離を埋められないまま一定の都合のいい距離を保つことしかできなかった。
そんな苛立ちの矛先を誰にも向けることもできず、他の女に翠を重ねて「適当」な恋愛をした。
「誰にも本気にならない」というレッテルも貼られるくらい最低で、常に脳内は翠でいっぱいだった。
でも、翠がどの男のモノにもならないことだけが唯一の救いだった。
しかし、それが突然崩れ始める。
「ねえ、証券会社の人ってどう思う?」
「いいんじゃない。まあ株暴落すると大変らしいけどね。安泰じゃない・・・って?なに男?」
何気なく翠が俺に恋バナをふっかけてきたのだ。
「うん。最近連絡とってる人なんだけどね・・・すごくいい人なんだよね。」
この時、全身に寒気がした。俺は今までのんびり何をやっていたのだろうか。
この程よくて生ぬるい関係の居心地が良すぎて結局何もアタックしていない。
ここから俺の悪あがきが始まった。
まず、会う約束をしていた日は見事に西木がやらかしてくれたおかげで阻止したが、次の時には俺は思わずいつもの姿(イケイケ)で二人を尾行した。
二人のやりとりの中で、おそらくホテルに行くことが決まりそろそろ止めにかかろうとしたが、翠は泣き出して走ったものだから俺はすぐに後を追った。
泣きじゃくる翠は、次から次へと浴びるように酒を飲み爆睡しだしたため仕方なく自分の家に連れて行くことにした。
自分の部屋に大好きな翠がいるのが不思議でたまらなかった。
抱きかかえると彼女の甘い香りと、アイツのタバコの匂いがすることに苛立ち俺は強引に服を脱がす。
それでも目を覚まさない翠の白い体はアルコールのせいで火照っていて、ピンク色の可愛らしい下着から綺麗な谷間がのぞく。細い割にこんなエロい身体してるのか・・・思わず見入ってしまったが流石にこれはダメな気がした。
俺のTシャツを着させると、寝ぼけながらもスカートとストッキングを脱ぎ俺のベッドに倒れ込んだ。
可愛い寝顔を独り占めする瞬間。
俺は強引に唇も奪えず、抱くこともできずただただその綺麗な髪を撫でた。
このまま朝が来なければいいのに・・・
俺だけのモノになればいいのに・・・