Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜


「お前、本当にバカ!!!」
と俺に説教をするのは、友人の和哉。
あごにひげを生やし、さすが有名サロンの店長だけあっていつも流行のヘアカットにカラーは金髪になったり緑になったり突然黒くなったり会うたびに新鮮な男だった。
俺の片思いを陰ながらずっと応援してくれていた心強い人物だが、昨日の対応には呆れている。
俺だって、昨日から何枚でも反省文がかけるくらいだよ。

俺は、タバコと焼き鳥の煙が充満した大衆居酒屋にて、ハイペースでレモンサワーを流し込む。

(翠と一緒に居酒屋行ったの楽しかったなー。また行きてーなー)

「忘れられるなら忘れて~。穴があったら入りて~。時が戻るなら戻して~~。」とひたすらに言い続ける。

そんな俺の肩を叩きながら、優しく慰めてくれる和哉の存在がありがたい。

(ああ結婚式のスピーチしてもらうつもりだったのに。)

翠、お願いだからアイツ(杉原)のところに戻らないでくれ…

俺にもう一度だけチャンスを下さい。

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