Sync.〜会社の同期に愛されすぎています〜

それからというものの付き合いキスまで行くもののその先が怖い。どうにかして切り抜け続けた結果「年上のスゴ腕の社会人の彼氏がいる」「婚約している」「年下・同じ年は相手にしない」「百戦錬磨」「男経験豊富」「今泉翠を抱いた男は伝説」と噂された。

高嶺の花のように扱われた私は、結局処女のまま今に至る。
それを知るものは誰もいない。
そう、瀬戸口も。

次の日、昨日の合コン話を楽しそうにする彼女たちに怒鳴り散らしたくなる。
あの二次対応がなければ私は、杉原さんとのデートというには恐れ多いけれど、お誘いに間に合ったかもしれないのに。
心の中で、舌打ちをしながら昨日関口に言われた言葉を思い出す。

ー最近、パソコン見てる時の今泉、超怖い顔してる。誰も寄せ付けないオーラ。なんか老けてきてるし。

私は、はっとして強引に口角をあげた。最近、作り笑顔しかしてないもんな。

【次はいつ会えますか?】
そう問いかけた杉浦さんのラインは昨日の夜送ったはずなのに、今頃になって返信があった。

【しばらく仕事で忙しいので また、こちらから連絡します。】

この業務的な敬語の返信はもう脈がないということだろうか、出会ってから数日くらいはもっと強引だった気がする。
杉原さんが自分に好意があるのだとわかるくらいに。こんなにも人は変わるものなのだろうか。
以前、二軒目を断ったからだろうか。


もう次に行こうと切り替えられるほど私は積極的にはなれない。
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