Bloody wolf
「考える余地なんて全くない。私は君を知らないし、君も私を知らないでしょ?」
なのに、好きだなんて軽々しく言わないで欲しい。
「うん。だから、これから知って欲しい」
「ごめん、無理」
「じゃあ、こうしよう。これからお互いの事を話していこうよ」
なにが、じゃあよ。
この前向きすぎる彼を、誰か何とかしてよ。
助けを求めて千里に視線を向けたら、苦笑いを返された。
ダメだ、助っ人にならない。
「あのね、聞いてた? 無理なの」
強い口調で言う。
「僕も諦めるの無理だから」
爽やかな少年は、綺麗に笑う。
及川君は、多分イケメンの部類に入るんだろうな。
私にはどうでも良いことだけど。
「私の何を知って好きだとか言うのか知らないけど。私、人を思う気持ちが一番信じらんないんだよね。だから、こう言うの止めて迷惑」
抑揚のない声で淡々と話して、及川君に背を向けた。
話しててもきっと押し問答が続くだけだ。
「あ、待って、篠宮さん」
背中に追いすがる及川君の声を無視して歩き出す。
パタパタと後ろから聞こえてきたの千里の足音。
酷い女だって嫌いになってくれればいい。
明るい太陽の下が似合いそうな彼に、私は似合わないよ。
今度は、自分に合う可愛い彼女が見つかると良いのにね? 他人事の様に思いながら廊下を進んだ。
周囲から突き刺さる視線に、ジロリと視線を返す。
数人の女の子達がこちらを睨み付けていた。
なんなのよ、もう。
こんな敵意向けられる様なことしてないけど。
苛立ちを隠さずに、冷たい視線で一人一人の顔を認識するように見据えていく。
慌てて視線を逸らしていくなら、初めから睨んでこなきゃ良いんだ。
本当、もう・・・なんなの。
「響ちゃん、ごめん」
私が躓いたりしなきゃ・・・申し訳なさそうに眉を下げたのは追い付いてきた千里。
「いいよ、仕方ないし」
今回はたまたま避けられなかっただけで、入学して何度か告白は受けてるし。
さっきみたいに食い下がられたことは無いけど。
冷たくあしらったら、大抵諦めてくれるんだ。
及川君は、相当イレギュラー。
「だいぶ目立ってたね」
「あいつ、叫んでたからね」
本当、面倒なことをしてくれた。
さっきから、あちこちから視線刺さってるんだよ。
なのに、好きだなんて軽々しく言わないで欲しい。
「うん。だから、これから知って欲しい」
「ごめん、無理」
「じゃあ、こうしよう。これからお互いの事を話していこうよ」
なにが、じゃあよ。
この前向きすぎる彼を、誰か何とかしてよ。
助けを求めて千里に視線を向けたら、苦笑いを返された。
ダメだ、助っ人にならない。
「あのね、聞いてた? 無理なの」
強い口調で言う。
「僕も諦めるの無理だから」
爽やかな少年は、綺麗に笑う。
及川君は、多分イケメンの部類に入るんだろうな。
私にはどうでも良いことだけど。
「私の何を知って好きだとか言うのか知らないけど。私、人を思う気持ちが一番信じらんないんだよね。だから、こう言うの止めて迷惑」
抑揚のない声で淡々と話して、及川君に背を向けた。
話しててもきっと押し問答が続くだけだ。
「あ、待って、篠宮さん」
背中に追いすがる及川君の声を無視して歩き出す。
パタパタと後ろから聞こえてきたの千里の足音。
酷い女だって嫌いになってくれればいい。
明るい太陽の下が似合いそうな彼に、私は似合わないよ。
今度は、自分に合う可愛い彼女が見つかると良いのにね? 他人事の様に思いながら廊下を進んだ。
周囲から突き刺さる視線に、ジロリと視線を返す。
数人の女の子達がこちらを睨み付けていた。
なんなのよ、もう。
こんな敵意向けられる様なことしてないけど。
苛立ちを隠さずに、冷たい視線で一人一人の顔を認識するように見据えていく。
慌てて視線を逸らしていくなら、初めから睨んでこなきゃ良いんだ。
本当、もう・・・なんなの。
「響ちゃん、ごめん」
私が躓いたりしなきゃ・・・申し訳なさそうに眉を下げたのは追い付いてきた千里。
「いいよ、仕方ないし」
今回はたまたま避けられなかっただけで、入学して何度か告白は受けてるし。
さっきみたいに食い下がられたことは無いけど。
冷たくあしらったら、大抵諦めてくれるんだ。
及川君は、相当イレギュラー。
「だいぶ目立ってたね」
「あいつ、叫んでたからね」
本当、面倒なことをしてくれた。
さっきから、あちこちから視線刺さってるんだよ。