Bloody wolf
「志帆(しほ)大丈夫。なにするのよ」
つんのめった彼女を助けにいったもう一人が私を睨む。
何にもしてないけど、なんて理不尽な。
大体、何してるの? はこっちの台詞だよ。
「・・・めんどくさ」
思わず漏れ出る。
「ふざけんな!」
ふざけてんのは、そっち。
拳を振り上げて、般若みたいな顔をしてるし。
「拳を振り上げるって事は、反撃されてもいいって認めたって事でいいですか?」
それなりの覚悟があってやってるんだよね。
殺気を込めて3人組を見据えた。
やるなら、やろう。
その覚悟があるんなら。
獲物を捕らえるように瞳を鈍く光らせる。
「ちょ、ちょっと、そ、そんなつもりないわよ。ね、ねぇ?」
顔を青ざめさせて慌てて拳を下げた人は、隣にいた子に助けを求めるように視線を向けた。
「そ、そうよ。話を聞きに来ただけよ」
「そうですか」
「もういいわ」
1人がそう言って私に背中を向けて歩き出すと、残りの2人も慌ててその後を追っていった。
なんだかなぁ。
久し振りに暴れてもいいかな? ぐらいには思えてたのに残念。
「・・・肩透かし」
呟いてひらりと身を翻す。
そんな私を見ていた生徒達は顔を強ばらせたまま静かに見送った
そして、噂は瞬く間に流れていく。
篠宮響は、怒らせちゃいけない奴だと・・・。
意図せず、私の平穏は別の意味で戻ってくるのだった。
つんのめった彼女を助けにいったもう一人が私を睨む。
何にもしてないけど、なんて理不尽な。
大体、何してるの? はこっちの台詞だよ。
「・・・めんどくさ」
思わず漏れ出る。
「ふざけんな!」
ふざけてんのは、そっち。
拳を振り上げて、般若みたいな顔をしてるし。
「拳を振り上げるって事は、反撃されてもいいって認めたって事でいいですか?」
それなりの覚悟があってやってるんだよね。
殺気を込めて3人組を見据えた。
やるなら、やろう。
その覚悟があるんなら。
獲物を捕らえるように瞳を鈍く光らせる。
「ちょ、ちょっと、そ、そんなつもりないわよ。ね、ねぇ?」
顔を青ざめさせて慌てて拳を下げた人は、隣にいた子に助けを求めるように視線を向けた。
「そ、そうよ。話を聞きに来ただけよ」
「そうですか」
「もういいわ」
1人がそう言って私に背中を向けて歩き出すと、残りの2人も慌ててその後を追っていった。
なんだかなぁ。
久し振りに暴れてもいいかな? ぐらいには思えてたのに残念。
「・・・肩透かし」
呟いてひらりと身を翻す。
そんな私を見ていた生徒達は顔を強ばらせたまま静かに見送った
そして、噂は瞬く間に流れていく。
篠宮響は、怒らせちゃいけない奴だと・・・。
意図せず、私の平穏は別の意味で戻ってくるのだった。