Bloody wolf
助手席に乗る秋道の元には、偵察隊からの情報がひっきりなしに入る。
いつもより、少し賑やかしい暴走になってるのは、警察の登場が早いからだ。
俺達の集団を追い掛けるパトカー。
捕まる連中が出ないようにけつ持ちの連中がパトカーの進行を邪魔してる。
俺は後部座席に座って深く腰を下ろし、正面を見据えた。
幾つものテールランプが光るその光景に、血が騒いだ。
俺達の場所はここにあると。
「もうすぐ大型交差点に差し掛かります」
「ああ」
秋道の言葉に頷いてその時を待つ。
横を走っていた瑠偉のバイクと数台が猛スピードで先頭へと向かった。
ブレーキとクラクションが鳴り響く。
交差点へと特攻した瑠偉が四方からの車を止めるために、ぐるぐると交差点内を回り、追い付いた旗持ちがチーム旗を大きく掲げた。
活動を止めた交差点に次々とチームの連中が侵入していく。
俺達の行進は止まらない。
「おや、怪しい人物が写ってますね」
タブレットに送られてくる写真を見ていた秋道が怪訝そうに眉を染めた。
「どうした?」
「交差点の脇にある大きな看板の後ろに、こちらを観察してる人物がいるようです」
「敵か?」
緊張が走る。
「いえ、写真を見た限りではそれほど危険な人物でもさなそうです」
「そうか」
「ええ。パーカーのフードを目深にかぶってるので、どのような人物が分からないので警戒はさせておきます」
秋道の言葉に、初めてあった日の響を思い出す。
「秋道、ちょっと見せろ」
「おや、珍しい」
そう言いながらもタブレットを俺の方へ向けた秋道。
写し出された写真に写る姿に、俺は思わず吹き出した。
「響じゃねぇかよ。あいつ、また夜に一人歩きしてんじゃねぇか」
変な奴に襲われたらどうすんだ。
「へぇ・・・これは彼女ですか。よく見ればこちらに見つからない様に隠れてるように見えますね」
「俺達の登場に隠れたに決まってる」
「どうしますか?」
「響に危険が無いように後をつけさせろ」
「了解です」
秋道は楽しげに口角を上げると、偵察隊の1人に電話連絡を入れる。
「もしもし。看板の影に居る人物は晴成の大切な方です。見つからない様に護衛をお願いします。ええ、報告は逐一お願いします。これでいいですか?」
通話を終えた秋道が楽しげに振り返った。
いつもより、少し賑やかしい暴走になってるのは、警察の登場が早いからだ。
俺達の集団を追い掛けるパトカー。
捕まる連中が出ないようにけつ持ちの連中がパトカーの進行を邪魔してる。
俺は後部座席に座って深く腰を下ろし、正面を見据えた。
幾つものテールランプが光るその光景に、血が騒いだ。
俺達の場所はここにあると。
「もうすぐ大型交差点に差し掛かります」
「ああ」
秋道の言葉に頷いてその時を待つ。
横を走っていた瑠偉のバイクと数台が猛スピードで先頭へと向かった。
ブレーキとクラクションが鳴り響く。
交差点へと特攻した瑠偉が四方からの車を止めるために、ぐるぐると交差点内を回り、追い付いた旗持ちがチーム旗を大きく掲げた。
活動を止めた交差点に次々とチームの連中が侵入していく。
俺達の行進は止まらない。
「おや、怪しい人物が写ってますね」
タブレットに送られてくる写真を見ていた秋道が怪訝そうに眉を染めた。
「どうした?」
「交差点の脇にある大きな看板の後ろに、こちらを観察してる人物がいるようです」
「敵か?」
緊張が走る。
「いえ、写真を見た限りではそれほど危険な人物でもさなそうです」
「そうか」
「ええ。パーカーのフードを目深にかぶってるので、どのような人物が分からないので警戒はさせておきます」
秋道の言葉に、初めてあった日の響を思い出す。
「秋道、ちょっと見せろ」
「おや、珍しい」
そう言いながらもタブレットを俺の方へ向けた秋道。
写し出された写真に写る姿に、俺は思わず吹き出した。
「響じゃねぇかよ。あいつ、また夜に一人歩きしてんじゃねぇか」
変な奴に襲われたらどうすんだ。
「へぇ・・・これは彼女ですか。よく見ればこちらに見つからない様に隠れてるように見えますね」
「俺達の登場に隠れたに決まってる」
「どうしますか?」
「響に危険が無いように後をつけさせろ」
「了解です」
秋道は楽しげに口角を上げると、偵察隊の1人に電話連絡を入れる。
「もしもし。看板の影に居る人物は晴成の大切な方です。見つからない様に護衛をお願いします。ええ、報告は逐一お願いします。これでいいですか?」
通話を終えた秋道が楽しげに振り返った。