いつか、きっと。
ゲームセンターでしばらく遊んで本屋さんにも寄った。

メトロ書店はとても広くて、家の近所の小さな本屋さんとは品揃えが段違いだ。

コミックや小説のコーナーで好きな作品の話題で盛り上がる。

「おい明日美!これ、さっきの映画の……」

「本当だ!原作本だね!!原作の小説も読んでみたいなー」

自分で買うつもりだったのに、友也が買ってくれた。

映画は就職内定祝いで、原作本はクリスマスプレゼントだって。

嬉しいけど、いいのかな?

私ばかりしてもらってるみたい。今日は夜までデートできるんだし、ご飯くらいは私におごらせてもらおう……。

アミュプラザを出て、浜町まで移動。

「ちょっと歩くか。ほら、手ぇ貸して」

素直に差し出した私の手を力強く握りしめてくれる。

手袋する前で良かった。

指と指をしっかりと絡ませて恋人繋ぎで歩く友也と私。

契約期間が終わったら、もうこんな風に仲睦まじく寄り添って歩くことなんて出来ないのかな。

今の私たち、恋人同士に見られてるのかな?



夜ご飯って言っても、まだかろうじて高校生の私たちだから、分相応にマックにすることに。

もしかして、私がおごるって言い出すの見抜かれてた?

なんて思ったけど、ここでもやっぱり私が財布を取り出すのを阻止された。

「ちょっと待って友也!私まだ友也の合格祝いちゃんと出来とらんけん、私が出すつもりやったとに」

「クリスマスデートぞ?女の子にお金出さすっとカッコ悪かやっか。ここは黙っておごられとけって」

もう、結局こうなるんだから。

あとで別になにかプレゼントでもしよう。

「うんわかった、いつもごめ……」

いやいや、そうじゃないでしょ!

「いつもありがとう、友也!」

にこっと笑顔でお礼。

これでいいんでしょ?

「おう!それさ明日美。よう出来た、エライエライ」

満面の笑みで頭をポンポンされた。

嬉しいけど、照れちゃう。

「クリスマスプレゼントには、明日美からスペシャルばもらうつもりやけん。楽しみにしとるばい」

えっ!?何をあげればいいの?私……。

< 100 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop