いつか、きっと。
私の部屋でも友也の部屋でも、ほとんど二人きりで過ごすけど。

家には必ず誰か家族がいるんだから、完全な二人きりではない。

お父さんから呼ばれたら返事しないといけないし、ドキッとさせられることも少なくはない。

それは友也が完全な二人きりになることを頑なに拒むからなんだけど……。

そうさせている友也の本心が私には見えていない。

私のことを大事に想ってくれているから?

親に対する誠実アピール?

それとも……。

友也はキス以上の深い関係を望んではいないとか?

私には魅力がないのかな。

女としての何か大事なものが欠けているとか。

それって、非常にまずいんじゃないのかな……。

私の何がいけないんだろう?

聞きたいけどそんなことを友也に確かめることなんてできない。

卑屈にならないって決めたのに、ダメだな私。

それとも……。

私たちがまだ未成年だからとか?

成人式、もしくは二十歳になるまでは清い交際をするつもりだったりして。



今年の成人の日は、一月十一日。

昔は一月十五日だったらしいけど、今は一月の第二月曜日。

祝日を月曜日にスライドし、連休が増えるようにと考えられているとか。

だから毎年成人の日が何日になるのかは、その年のカレンダー次第ということになる。

幸か不幸か、今年の成人の日は私の誕生日と重なってしまった。

そう、一月十一日が私の誕生日。

友也よりも一足お先に二十歳になるのだ。

友也の誕生日は、二月十五日だから。

約一ヶ月、私の方がお姉さんか……。

成人の日と誕生日を迎え、大人の仲間入りをしたら私たちは……。

友也と私の関係は何か変化があるんだろうか?

お正月の余韻をまだ残しつつ、成人の日を二日後に控えた土曜日のこと。

私は久し振りに京子と電話で話をした。

『明日美も成人式出るやろ?真実も行くって言いよるし三人で会えるとが楽しみかね!』

「京子は涼介くんと一緒に帰ってきたとやろ?相変わらず仲良さそうでよかねー」

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