いつか、きっと。
同窓会。

友也は家庭教師をしている男の子のお宅に行かないといけないらしく、まだ会場には来ていない。

中学の時に仲が良かった中田有紀と話している時に電話が鳴った。

ピロリロリロリロ、ピロリロリロリロ♪

「友也から電話かかってきた!もうお店に着くのかも」

「えっ!あっそう!?じゃ、さっきの話は内緒って約束したけんね!電話早く出なよ。じゃ私はこれでっっ!!」

有紀は慌てて私から離れ、他のグループに混じってしまった。

「もしもし友也、いま何処におると?」

『いまバスば降りたとこ。こっから近かごたるけん、店の前まで出て来とってくれんか?明日美』

「よかよ。待っとくけん」

外は寒いからコートを着て、お店の外に向かった。

店の前で友也が来るのを待つ間に携帯のデータBOXを開く。

今日の成人式が終わってから撮った写真を表示させた。

みんなで撮った写真は久し振りに集まった六人の晴れ姿が収められている。

ふふっ。

みんな大人になったんだな。

中学時代のみんなを思い浮かべ、懐かしい気持ちになった。

女三人で撮った写真。

それぞれ一人ずつ撮った写真。

それから、友也と私のツーショット写真。

胸から上のアップと、全身を写したものがある。

こうして二人並んでいると恋人らしく見える?

お似合いだって思われるのかな、友也と私って。

「明日美、明日美って!さっきから手ば振りよったとに、いっちょん見とらんとやもんな。携帯見つめてなんばニヤニヤしとると」

いつの間にか友也が私のそばに立っていた。

「あっ友也。結構遅うまでかかったとね、お疲れ様。それで、バイトのことはどがんなったと?」

「そいがさー、家庭教師は三月まででよかけん四月からは知り合いの塾でアルバイトせんかって言われて……」

友也は話しながら自然に私の手を取って歩き出した。

お店にこのまま入って行けば、みんなからきっと突っ込まれるだろうけどいいのかな?



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