いつか、きっと。
同窓会が終わり、みんなは二次会のカラオケに行ってしまった。

私と友也は二次会には行かずバスで帰ることにした。

「友也はみんなとあんまり話す時間なかったやろ。二次会行かんでよかったと?」

「カラオケ行ってもあんま喋られんし。ていうかさっき結構話したけんよか。とりあえず言いたかことは言えたけん満足ばい。明日美は楽しかったか?」

「うん。久し振りに中学の友達と会えたけん楽しかったよ」

有紀から聞いた友也の話。

いろいろ問いただしたいけど、有紀から『内緒』って釘刺されたからダメだ。

でもそんなことより、友也がみんなの前で宣言してくれたのが……嬉しかった。

『今は俺が明日美の彼氏ぞ』

『俺の明日美に手ば出すなよ』

この言葉を聞けたから、私も満足。

あんまり欲張り過ぎは良くないからね。

「でも真実と町田くん、また付き合えばいいのにな。お互い好きなのに友達だなんて」

「アイツらは俺たちとはまた違う付き合い方やけんな。俺にはよう分からんけど、付き合い方もいろいろあるってことさな」

私たちとは違うって。

やっぱり私たちの関係って普通ではないもんね。

さっき真実と町田くんはお互いの事を「好き」って言ってた。

ちゃんとお互い好きだって伝えあっているのに、付き合ってないなんて。

私たちは気持ちの確認をする事はないけど、付き合ってる。

でも付き合ってるって言ってもフリなんだし。

「友達のままって、そのうち気持ちが離れてしまったりせんとかな?なんとなく繋がりが薄いっていうか……」

「そいはなかやろ。少なくとも良彦はちゃんと付き合いたかって言いよるとやし。多分アイツは"セフレ"みたいな関係は嫌とやろうな。まあ俺たちがとやかく言える事でもなかし」

…………セフレ!?

あの二人付き合ってた高校生の時にはもうエッチしてたってこと?

まさか別れて友達に戻ってから大人な関係になったとか……。

私たちなんて、キスしたりハグしたりしてるけど、それ以上は……。

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