いつか、きっと。
目的地の最寄り駅に到着した。

その名も……『ハウステンボス駅』

「明日美、来たことあっと?」

「うんにゃ!初めてばい!!一回来てみたかったっさね~。嬉しかよ本当に。ありがとう!!」

やってきたのは、そう。

"ハウステンボス"

「俺もさ。明日美とデートでいつか行きたかったけん。今日は二人ともハウステンボスデビューすっぞ!」

友也もまだ来たことなかったんだ。

初めてのハウステンボスが友也と一緒で嬉しい。

しかも私の誕生日にこんなプランを考えてくれてたなんて……。

彼女ってこんな風に彼氏に大事にしてもらえるものなんだ。

なんだか本物の彼女になれたみたいな気分。

いいよね?今日くらいは。

だって誕生日なんだもん……。

「こがん遠くまで二人だけで遊びに来らるっとなんか不思議か。私たちも大人になったとばいね」

JRの切符とか、友也が全部用意してくれていて感激!

でももし私が今日無理だったとしたら、どうするつもりだったんだろう?

「今日はJRやったけど、社会人になる前に免許ば取ろうと思っとるけん俺。そしたら次は車で来らるっな。ドライブデート、期待しとけよ!」

友也は学生の内に運転免許を取りに行くつもりなんだ。

私もできれば教習所に通いたかったけど、できなかった。

高三の冬休みから希望者は教習所に通う事が可能だったけど、私は冬休みの時点でまだ十七歳だったから、アウト。

友也も二月が誕生日だし。

「うん、期待しとくね。あーあ私も免許取りに行きたかったな。就職したら時間の自由にならんしなぁ」

「明日美は止めとった方がよかぞ。どうも危なっかしくて運転とかさせられん。俺の助手席で我慢しとけ」

我慢だなんて!!

私にとっては特等席になるに決まってるのに。

「分かった分かった。友也がどうしても助手席に座ってほしかとなら座ってやるけんね」

喋りながら歩いているとあっという間にハウステンボスに到着。

「チケット買わんば。"1DAYパスポート"っていうとでよかとかな?」

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