いつか、きっと。
なんだか未来の言い方が気になった。

なにか心配なことでもあるの?

表情も心なしか憂いを帯びたように見えてきた。

「東京でなんかあったと?まさかとは思うけど、先輩の浮気ば疑っとるとか……」

「うんにゃ、そがんことはなかよ。チャラそうに見えて実は誠実かとやっけん。まあでも優しすぎていろいろ気苦労も多そうでね。それが少し心配かな」

知らなかった。

田代先輩にも意外な一面があったんだ。

うまくいってるように思えても、付き合っている二人だけにしか分からないことがあるんだよねきっと。

「ふーん田代先輩って優しいんだ!よかね未来、大事にされとるとばいね。それ聞いて私も嬉しかばい。でも私には悪かけど想像のつかん。どがん風に優しかとか教えてよ~!」

「えーっ!!なんでそがんこと聞くと?恥ずかしかやかね」

未来が顔を真っ赤に染め上げて、目を少し潤ませながら反発した。

「なんでそがん恥ずかしがると。未来ってあんまり先輩の話自分からせんけん。のろけ話聞かせてよー」

「えっ……じゃっ、じゃあ私が喋ったら明日美も言わんばよ?私だけ言うと恥ずかしかけん。でも確かに気になるもんね……」

もじもじしながら、やっと喋る気になったようだ。

未来って田代先輩と付き合うようになってから、すごく女らしくなったよなあと思う。

小学生の頃はなんというか肉食系って感じだった。

中学は別々だったからよく分からないけど……。

高校生の未来はやっぱり彼氏が欲しいとは言ってたけど、どこか躊躇してるような雰囲気もあった。

だんだん大人になってきたってことなんだろう。

「例えば、私の気分が乗らんときとか体調がいまいちなときは無理強いせんし、いつも私の身体ば気遣ってくれるとことか。安全日でもきちんと……してくれるし、それに、初めてした時もなるべく痛くせんように丁寧に時間かけてくれたり……」

………………えっ!?

ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。

未来、何を言い出すのかと思ったら!!

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