いつか、きっと。
「ねえ未来、私が今から言うことに驚かんでね。本当はこがん事言いとうなかけど、未来は私の親友やし」

そう、大事な親友だからこそ打ち明けてもいいよね?

やっぱり私一人の胸の内に仕舞っておくのはちょっと辛いかも。

六年間、あまり気にしないようにしてきたつもりだけど……。

「なになに?思い詰めたような深刻な顔して。なんか重大な隠し事でもしとるとじゃ……ま、まさか!?も、もしかして……」

感づかれてしまった?

でもそんなに重大でもないんだけど。

田代先輩とラブラブで愛し合っている未来からしてみれば、私と友也の関係が可笑しいんだろうけど。

「いつから?気付いたとはいつ?まだ御子柴くんは知らんとやろ。体調は悪くなさそうけど……。でもどうやって気付いたと?あ、そうか!遅れとるとやろアレが。でもまだ分からんとじゃ。薬は試してみたと?」

「は?なんば言いよっと未来!?」

「明日美、だってさ……。赤ちゃん出来たかもしれんとやろ?」

………………はあっ!?

「まっまさか!そがん訳なかやろ!!私に赤ちゃんって、有り得ん!!」

「ちょちょちょっと明日美、声のでかすぎるって!抑えて抑えて……」

私が突然大声を出してしまったから、慌てた未来からたしなめられた。

しまった、ここはカフェだった。思わず立ち上がってしまった腰を下ろして心を落ち着ける。

「ごめん未来……。あんまりビックリしたけんつい、おっきか声ば出してしもうて」

「明日美、いつまでも隠し通せるわけじゃなかとよ。御子柴くんに言いきらんで悩んどるとなら、私にとりあえず全部話してみらんね。だって私たち親友やろ?こがんときこそ頼ってよ。私に出来ることのあれば力になるけん」

未来……。

そんな風に私のことを大事に思ってくれるのはありがたいけど。

どうしてそう思ってしまっているのかよく分からない。

勘違いも甚だしいよ……。

「未来、完全に誤解しとる。私は妊娠なんかしとらん。隠してるわけでもなかし。本当に違うと」

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