いつか、きっと。
未来に私が友也の偽者彼女だと話したらどう思われるんだろう。

まだエッチもしてない事に関しては納得されてしまうのかもしれない。

でもそんなことで納得されるのは嫌だし。

この先、本物の恋人同士になれる日を心待ちにしてる私としては、付き合ってるフリだという事実は誰にも知られたくない。

嘘から出たまこと、でもいい。

ごめんね未来……。

親友だったら嘘なんかつかない方がいいに決まっているけど、親友だからこそ余計な心配をさせたくないっていう思いもある。

いつか本当になる予定だから、許して。

「未来の悩みって?先輩と遠距離恋愛っていうだけじゃなく他になんかあると?私にできる事のあれば遠慮なく言うて」

私のために怒ってくれたり笑ってくれたり、一緒に考えてくれる大事な親友だから。

私も未来のために何か出来たらいいなと思ってる。

悩みは一人で抱え込むより、二人で分け合った方が楽だよね。

「ほ、本当に!?私の相談に乗ってくれると?そしたら、お願いのあっとけど…………」




未来に会った数日後。

「青柳さんと田代先輩って意外と続いとるな。遠距離になったらそのうち別れるっじゃなかかと思うとったけど。あ、お土産のお礼言うとって。俺、バイト辞めてからは青柳さんと会う機会もなかし」

休みの日にゆっくりデートできないから、平日だけど友也の部屋に押し掛けた。

『未来から東京のお土産もらったけん、一緒に食べよう』って。

何も用事がなくたって会いに行っていいんだろうけど、口実があったほうが行きやすいもんね。

口実をくれた未来に感謝。

「うん言っとく。でもね多分そのうち未来に会う機会できると思うよ。ちょっと未来から頼まれたことのあっとさね……」

そう、未来からの相談事がね。

今日はお土産の『東京ばな奈』を一緒に食べるだけが目的ではない。

実はこれからが本題だったりする。

「今度さ、ダブルデート…………してくれん?」

「ダブルデート!?なんでまた……唐突やな。え、っていうことは先輩が長崎に帰って来っとか?」


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