いつか、きっと。
私の同じ会社の同期に『瀬名圭司』くんっておるやろ?未来が瀬名くんに会ってみたかって。まあ私の知り合いの男の人って友也以外には会社の同僚くらいやけん。未来ができれば年の近い方がよかけど、年下は嫌って言うし。まあ瀬名くんならイケメンやし、未来の希望に一番合うかなって」

「ふーん、あっそ」

私の話を真剣に聞いてくれていた友也が、急に興味を失ったように黙り込んだ。

「でも私、本当は未来には田代先輩とずっと付き合ってほしかような気のするとけどね」

「そんなら別にダブルデートとかせんでもよかっじゃ?」

え、なに?

さっきからなんだか不機嫌になったようだけど……友也。

私なんかやらかしたかな……。

「その『瀬名』ってやつがイケメンかどうか俺の知ったこっちゃなかけど、絶対そいつより田代先輩の方が男前って思うぞ」

「そ、そう?確かに田代先輩もイケメンやもんね。でも私からしたらそがん大差ないような……。未来は面食いやけんイケメンじゃなからんばダメっさ多分」

友也、なんか怒ってるの?

イライラが顔に出てるよ……。

「明日美もそうか。お前も男はイケメンの方がよかとか思っとるとやろ」

へっ!?私?

今は未来の話をしてたんじゃなかったっけ。

「なんでそがんこと言うと?未来は面食いやけんイケメンの方が喜ぶやろうって思うただけよ。私がいつイケメンが好きとか言うたとよ。私、別に面食いとかじゃなかし」

友也の機嫌をこれ以上悪くさせたくなかったのに。

私の思いに反して、ますますイライラが募っているように見える。

「へぇ、じゃあなにか?明日美は俺がイケメンじゃなくて良かったって言うとか。面食いじゃなくて俺がイケメンじゃなかけんが、俺と付き合いよるってこと?ふーんそうか、よう分かった」

なになに!?

友也、もしかしていじけてるの?

「確かに私、面食いじゃなかって言うたけど。友也がイケメンじゃなかとは一言も……言うとらんけど」

友也のこと、イケメンだとは思ってないけどね……。

なんてことは今は言わない方がいいみたいだけど。

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