いつか、きっと。
…………と言う訳でやってきた、ダブルデート当日。

午前十時に茂里町のココウォークで待ち合わせ。

私と未来と友也は家が近いから、友也の車で相乗りして行くことに。

私たちは長崎市の南部地区に住んでいるけど、瀬名くんは北部地区に住んでいるから、一人別だけど車で来ることになった。

まずココウォークの中にある東宝シネマズで映画を見て、お昼ご飯にファストフードを調達してから、稲佐山で花見しながらランチする計画だ。

「ごめんね、御子柴くん。本当なら明日美と二人きりでラブラブドライブの方が良かったとやろうけど。お邪魔虫けど、今日はお世話になります」

「もう未来、そがんことなかって!!ねえ友也。でも瀬名くん一人で寂しかやろうけん、稲佐山に行くときは未来が瀬名くんの車に乗ってやってね。彼はイケメンやし、モテるらしかけん退屈はせんと思うけど」

「ふーん、明日美は俺と一緒で退屈じゃなかとか?」

えっ!?そんなこと一言も言ってないじゃない……!

また私、地雷踏んじゃった?

「退屈な訳なかやろ!最近忙しそうやし、なかなかゆっくり会えんかったけど、今日は楽しみにしとったとよ。せっかくの映画にお花見やけんみんなで楽しもうよ!」

「……みんなで、ね。いつも明日美と二人でばっかりやもんな。明日美は青柳さんもおるとが嬉しかとやろ?たまにはこがんとも新鮮で良かったりしてな。俺も楽しむ事にすっかな。ところで青柳さん……。本当によかと?先輩のおっとに瀬名とかと会うたりして。今日の事は先輩には勿論ナイショやろ」

友也はやっぱり田代先輩に悪いと思ってるんだよね。

私だって少し後ろめたくはあるけど、こうして一度だけでも瀬名くんに会ってみれば未来も気が済むんじゃないかって思うんだよね。

きっと本気で瀬名くんと付き合うつもりなんてないと思うし。

遠恋が長期化して揺れてる心のせいでいろいろ考えちゃうんだよ……。

瀬名くんも『付き合える可能性は低い』って言ってたし。

単なる同級生の集まりだとでも思えばいいんじゃないかな?

「テツくんには、今日の事を言うかどうかはまだ分からん。私にもいろいろ考えのあってね……」

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