いつか、きっと。
「ふうん、そっか……。じゃあ俺も似たようなもんかな。青柳さんは明日美ほどじゃなかけど、まあ可愛かかなって思うし。好きになるかどうかは付き合ってみらんばわからんもんな。俺と明日美の契約が他人には秘密やったごと、俺と青柳さんの関係についても他人に話すつもりなかけん」

た、他人……!?

親友とか特別とか言っておきながら、なんて言い様なの!

「なんね!その秘密ば未来にバラしたとは誰?そがん言われ方ばせんばとなら、契約とか要らんかった!!」

高一の秋からだったから、今まで十年半。

一体なんだったの……。

「……俺は元々、明日美とフリでも付き合うつもりなんか全然なかった。あの時は成り行きでそうするとが一番の最善策かと思うとったけど、やっぱりずっと親友のままでおれば良かったとかもな。まだ人生経験の足りん高校生やったけん、青かった」

友也の言っていることをしっかり聞いていたつもりだけど、頭が拒否しているのか、ちっとも理解できない。

「友也も知っとるやろ。未来はイケメンしか好きにならんよきっと。それでもいいと……?」

「そいけん瀬名に会わせたとやったもんな。しかしあの時、青柳さんに瀬名ば紹介するって聞いて背筋の凍りそうになったばい。もし青柳さんが瀬名のことば気に入ったらどがんすっかと焦った。でもそうならんで良かったって心底思うとる」

どうして友也がそんな心配を?

私だって未来と瀬名くんにはあまり親しくなってほしくはなかったけど。

それは田代先輩がいるからで……。

友也は違ったの?

自分のため……だったの?

「友也も未来もおかしかよ。『付き合えば好きになる』なんて……普通逆やろ。好きになってから付き合うもんじゃなかと?ねぇ友也、本当に未来と付き合うつもり!?」

「明日美だって似たようなもんやっか。俺のこと散々『イケメンじゃなか』って言いながら、俺の彼女のフリしてくれよったとやろ」

もう、本当に分からず屋ね!

何回も同じこと言わせないで!!

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