いつか、きっと。
「"海きらら"のホームページば見たら、おすすめコースのいくつかあったとさ。いろいろ見たかし"一日満喫コース"っていうとがよかかなって思うたっさね。そのコースで回るとなら九時半にはあっちに着いとかんばいかんとよ」

お母さん……。

インターネットで情報収集してきたなんて、本気で楽しもうと思ってるよね。

お父さんはお母さんに任せてるみたいで、お母さんの言うことにウンウンと頷いてる。

「そいけん早う来たとね。よかよ、お母さんの計画に乗った!その"満喫コース"に賛成!」

お母さんのインターネット情報によると"九十九島"にはたくさんの島が存在しているらしいけど、九十九の島がある訳ではないという。

『数え切れないほどたくさんある』という例えの言葉で、実際には二百八の島々があるそうだ。

「コースの中に遊覧船クルーズのあるってぞ明日美。船の種類はどれがよかか明日美が選べばよか」

「え!よかと!?やったー」

船にも乗れるんだ!

なんだか楽しくなってきた!!


お母さんの計画通り、ちょうど九時半に九十九島パールシーリゾートに到着。

「まずは遊覧船の乗船券ば買うよ。その乗船券ば見せたら海きららが割引になるとって!」

さすがお母さん、細かく情報チェックしてる。

遊覧船は私に選ばせてくれると言ってたから、船体が白くて優雅なイメージの"パールクィーン"という遊覧船にした。

乗船時間は午後一時だから、それまでは海きららの中を見て回ることになった。

さすが水族館だけあって大きな水槽にはたくさんの魚が泳いでいた。

光が降り注いで綺麗なのは、水槽に屋根がないから。

幻想的でとても美しく、いつまでも見ていたいと思えるほどだった。

「明日美!イルカのショーば見に行こうで!早う行かんば場所のなくなるけん。ほら行くよ!」

今日のお母さんのテンションの高さに、ちょっと引き気味になりながらもついていく。

イルカのショーは私も楽しみにしていたから。

イルカに会いに来たかったんだもんね。

やっと会えるよ……。


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