いつか、きっと。
"森きらら"に行きたくなかったのにも理由がある。
『友也と行きたかった』というのもあるけど、それだけじゃない。
"海きらら"で"ペンギン水族館"を思い出したように、"森きらら"でも"バイオパーク"を思い出して苦しくなりそうだったから。
"バイオパーク"は西海市にある動物園で、いろんな動物と触れ合えるコーナーがあるし、いろんなイベントも開催されてたりする人気スポットだ。
私も友也もお気に入りの、大好きな場所。
最後に行ったのは昨年のゴールデンウィークだったから、ちょうど一年前だ。
あの日は午後から急に雨が降りだして、傘も持ってなかった私たちは濡れてしまった。
風邪を引くといけないからって、お土産を売っているショップでTシャツを買って着替えたことを思い出す。
『これ可愛い!これにしようよ』
なんて私が選んだのはカピバラのキャラクターがプリントされてある物で。
『しょんなか。明日美と色違いにしてやる』
なんて友也が私に合わせてくれたんだった。
"森きらら"をパスして"させぼ五番街"を選んだものの、大して変わらなかったような気がする。
結局、何処に行っても何をしても同じことだった。
私の頭の中では、どんな些細なことでも友也との思い出に結び付けて記憶を甦らせてしまうようだ。
私の意思と関係なく、勝手に頭の中に浮かんできてしまうのだからどうしようもない。
「友也のバカ。私の頭から出てってよ」
私の中の友也を、悶々とした気分ごと追い出してしまいたかったけど無理だった。
『明日美、ほら行くぞ』
幻想の中で、私に向かって手を差し出しニカッと笑いかける友也。
思わず私も手を伸ばすけど、幻想なんだから掴めない。
私の記憶の中にいる友也がいなくなってしまったら、こんなに苦しまなくていいの?
友也はもう、私のことなんて気にもしていないんだろうし。
私ばかり友也に未練がましいなんて、カッコ悪い。
楽になれるんだったら、友也と出会ってから今までの思い出なんて全部忘れ去って…………。
分かってる。
そんなの無理だってこと。
私が友也のことを忘れるなんて、できるわけがない。
佐世保に来て、しばらく会わなければ少しは心が落ち着くのかとも思ったけれど、落ち着くどころか苦しさは増すばかり。
隣に住んでいたって簡単に会えなくなってしまったし、偶然会えたとしてもどうしたらいいのか分からない。
それなら離れていた方が気が楽になるんじゃないかと考えた。
だから自ら志願して佐世保に来たのに。
出張の名を借りた、現実逃避だ。
友也から距離を置くことで心を整理し、ただの"親友"として友也と向き合えるようになるつもりでいた。
…………バカだな、私。
今更、何事もなかったかのように"親友"だなんて。
たった半月ほど離れたからって、心の整理なんてできる訳がなかったのだ。
友也と出会ったのは小六だったから十一歳の時。
もう十五年にもなる。
私が友也を好きでいるのもほぼ同じくらいだ。
最初は恋愛感情なんてなく、本当に友達だと思っていたのに。
十五年も積み重ねてきた想いは、そう簡単に消えはしない。
『友也と行きたかった』というのもあるけど、それだけじゃない。
"海きらら"で"ペンギン水族館"を思い出したように、"森きらら"でも"バイオパーク"を思い出して苦しくなりそうだったから。
"バイオパーク"は西海市にある動物園で、いろんな動物と触れ合えるコーナーがあるし、いろんなイベントも開催されてたりする人気スポットだ。
私も友也もお気に入りの、大好きな場所。
最後に行ったのは昨年のゴールデンウィークだったから、ちょうど一年前だ。
あの日は午後から急に雨が降りだして、傘も持ってなかった私たちは濡れてしまった。
風邪を引くといけないからって、お土産を売っているショップでTシャツを買って着替えたことを思い出す。
『これ可愛い!これにしようよ』
なんて私が選んだのはカピバラのキャラクターがプリントされてある物で。
『しょんなか。明日美と色違いにしてやる』
なんて友也が私に合わせてくれたんだった。
"森きらら"をパスして"させぼ五番街"を選んだものの、大して変わらなかったような気がする。
結局、何処に行っても何をしても同じことだった。
私の頭の中では、どんな些細なことでも友也との思い出に結び付けて記憶を甦らせてしまうようだ。
私の意思と関係なく、勝手に頭の中に浮かんできてしまうのだからどうしようもない。
「友也のバカ。私の頭から出てってよ」
私の中の友也を、悶々とした気分ごと追い出してしまいたかったけど無理だった。
『明日美、ほら行くぞ』
幻想の中で、私に向かって手を差し出しニカッと笑いかける友也。
思わず私も手を伸ばすけど、幻想なんだから掴めない。
私の記憶の中にいる友也がいなくなってしまったら、こんなに苦しまなくていいの?
友也はもう、私のことなんて気にもしていないんだろうし。
私ばかり友也に未練がましいなんて、カッコ悪い。
楽になれるんだったら、友也と出会ってから今までの思い出なんて全部忘れ去って…………。
分かってる。
そんなの無理だってこと。
私が友也のことを忘れるなんて、できるわけがない。
佐世保に来て、しばらく会わなければ少しは心が落ち着くのかとも思ったけれど、落ち着くどころか苦しさは増すばかり。
隣に住んでいたって簡単に会えなくなってしまったし、偶然会えたとしてもどうしたらいいのか分からない。
それなら離れていた方が気が楽になるんじゃないかと考えた。
だから自ら志願して佐世保に来たのに。
出張の名を借りた、現実逃避だ。
友也から距離を置くことで心を整理し、ただの"親友"として友也と向き合えるようになるつもりでいた。
…………バカだな、私。
今更、何事もなかったかのように"親友"だなんて。
たった半月ほど離れたからって、心の整理なんてできる訳がなかったのだ。
友也と出会ったのは小六だったから十一歳の時。
もう十五年にもなる。
私が友也を好きでいるのもほぼ同じくらいだ。
最初は恋愛感情なんてなく、本当に友達だと思っていたのに。
十五年も積み重ねてきた想いは、そう簡単に消えはしない。