いつか、きっと。

福岡に着任する前に、木曜から三泊で事前準備をすることになった。

瀬名くんも事前に引き継ぎをしていたけど、その本人はまだ病院のベッドで意識不明のまま眠っている。

瀬名くん……早く戻って来て。

でないと私が瀬名くんの仕事を奪ってしまうかもしれないよ?

だって私、本気でこの仕事に取り組むつもりだから。

いつまでも戻って来なかったら、もう瀬名くんの居場所なんてないんだからね。

『瀬名なんかいなくても、生田さんがいてくれるからいいよ』

なんてみんなから言われちゃうかもよ。

『生田のせいで俺の人生プランめちゃくちゃやっか!!』

なんて言う羽目になっても知らないんだからね。

だから瀬名くん、早く意識を戻して。

「生田!元気にしとったか?あれ、なんかお前さぁ……太った?」

「小野さんっっ!!久し振りに感動の再会なのに、酷いですよっ」

「ああ悪い悪い。入社して来た時はガキやったとに、いっちょ前に女らしくなったやっか。体つきも……」

小野さんそれ、セクハラ発言です。

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