いつか、きっと。
バレてしまっては仕方ない。

それはもういいとして、今日はもう友也に会えないから私の計画は総崩れだ。

まあ元々ノープランではあったんだけど。

「そっか。明日から明日美ちゃんは佐世保出張かー。じゃあ明日の出発に間に合わんかったら、友也ば佐世保まで送り込んでやるけん!任しとってくれんね」

「えっ!?いやその、えーと……」

どういうこと?

佐世保って、どうして……。

ガチャ!

背後でドアが開いた音がすると同時に響いてきたのは聞きなれた声。

「あらまっ、明日美こがんとこにおったとね。あんたも一緒に行く?ランチ会」

「あらやだ!私化粧せんばとやった!明日美ちゃんごめん。良かったら一緒に行こうで」

え、それはちょっと……じゃなくて、かなり嫌だ。

お母さんたちだけでなく、他の人もいるんだろうし。

そんな中で友也とのことを根掘り葉掘り聞かれたりしたら堪らない。

「私は遠慮しとく。おばちゃんもお母さんも、お友だちとのランチ楽しんで来て。そんじゃねっ」

慌てて逃げ出した。


コンビニでお昼ご飯を買って帰ってきた。

こんな時に自分でささっと料理しちゃうような女子力が私にはまだ足りていないのが悲しい。

福岡ではなるべく自炊できるように頑張ろう。


友也、まさか泊まりだったとは。

完全に私の作戦ミスだ。

明日も会える可能性はとことん低い……。

遊びで行ってるんじゃないからメールや電話もしにくい。

予想外の展開だけど、ここで手をこまねいていても仕方がない。

私には時間がないんだから。

他にもまだまだやらなければいけない事がある。

昨日は病室の前までで引き返してしまったから、今日こそは瀬名くんと会って来よう。

そうとなったらお昼をさっさと食べて、瀬名くんが入院している病院に行かなきゃ。

でも待って、また彼女さんが一緒にいたら?

また門前払いなんてことは避けたい。

私が行くってことを先に伝えといたほうがいいんじゃないかな。

友也だけでなく瀬名くんとも話せないなんてことにはなりたくないし。

携帯、繋がるかな?

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