いつか、きっと。
二ヶ月前のあの日の未来は、私に怒りと憎しみをぶつけてきた。

あのパワーは一体どこに行ってしまったんだろう。

そして、何が未来をこんなにも弱々しくさせてまったのか。

『明日美、ごめん。私、こがんことになるとは思っとらんかった。明日美たちまで巻き込んで本当ににごめんね。許してもらえんかもしれんけど……。電話じゃ上手く伝えられんような気のするけん、会いたか。明日美と会って話したか。でも今日は……ダメと。どうしよ、私……』

「未来、大丈夫よ。大丈夫やけん」

今日の未来はかなり興奮気味で、話が支離滅裂だ。

何かを私に伝えたいんだろうけど、話がよく見えない。

私から電話をかけたのに、未来の方が一方的に話してきて、なんだか面食らってしまった。

「今から誰かお客さんでも来ると?だけん今日は会えんってことかな」

私まで興奮してはいけない。

ここは冷静に未来を落ち着かせないと。

ちっとも話が前に進みそうにない。

『そいがね、今日は仕事の都合ばつけられんけんって……。こっちに帰りきらんって言うとよ!こがん大事か話は電話ではされんけん、早よう帰って来てって言うたとに。明日、直接私から話すつもりけど……』

そっか、未来は彼女だから友也のスケジュールも把握済みだよね。

私なんてさっき知ったのに。

こんなとこでも違いを見せつけられるなんて。

『でも私の両親にバレてしもうて。私は彼に直接話したかけん明日まで待ってって頼んだけど、そんなら先にあっちの親と話し合うって言い出して。それが嫌なら仕事だろうがなんだろうが構わず連絡するって聞かんと。仕方なかけん、親同士の話し合いに私も参加する羽目になって……』

……ということは、友也の両親が未来の家に行くってこと?

『ねぇ明日美、明日時間ある?もう私どがんしたらよかか分からん。明日美に会いたか。いろいろ話してしまいたか。お願い……相談できるとは明日美しかおらんとよ』

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