いつか、きっと。
なんだか物凄く嫌な予感がする。

私が首を突っ込んでいいのだろうか。

だけど、こんなに取り乱した未来は長い付き合いの中でも記憶にない。

私たちは約二ヶ月の間、ほぼ絶縁状態だった。

普通ならそんな相手にこんな風に弱い部分をさらけ出せるかな。

よっぽど追い詰められているのであろう未来からのお願いを私が断れる訳がない。

だって、やっぱり未来は私にとって大事な親友だから。

「明日は午前中なら少し時間あるよ。午後からは……予定あるけん無理けど」

本当はこの電話で福岡出張のことを言うつもりだった。

でも今の未来の状態じゃ言えない。

精神的に参ってるようだから、あまり刺激するような発言は控えといた方がよさそう。

『うん、うん、分かった。じゃあ明日の朝十時に、この前のファミレスに来てくれる?』

「いいよ。電話じゃ話しにくいことでも、何でも話そう。私も話したいことあるし。でも、今日は何の話し合い?」

未来の取り乱し具合から、かなり深刻な状況になってそうだけど。

何に対してそんなに不安を抱えているのかが分からない。

電話で全てを話す事は出来ないにしても、なにかしらの情報が欲しい。

未来が私に助けを求めてくれてるのなら、私もできる限り力になりたいから。

『あ、そ、そうたいね。私ちょっと気が動転して、肝心な事ば言うとらんかったとね。詳しかことは明日話すけど……。私ね、実は…………』

「実は?」

続きを促すように聞き返してしまったけど、本当にいいの?

なぜだかさっきから胸騒ぎが止まらない。

早く聞きたくてたまらない私と、聞いてはいけないような気がしている私が、心の中でせめぎ合っている。

だけど止められない。

もう、引き返す事なんてできない。

『私、赤ちゃんできちゃったの』

……………………へ?

赤ちゃん?

いま、赤ちゃんって言ったの?未来。

『あっ!ゴメン明日美、彼の両親が来たみたい……。じゃあ明日、お願いね!』

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