いつか、きっと。
思い込み、かぁ……。

未来のお腹にいる赤ちゃんの父親が友也だという事実が、思い込みだったらどんなにいいだろう。

電話……してみようかな。

私の口から友也に未来の妊娠のことを言うわけにはいかないけど。

本当は未来に電話する前に友也と会って話をするつもりだったんだし。

先に未来と話してしまったから、ややこしいことになってしまった。

『自分のしたかごとしてみらんね』

お母さんの言葉を思い出す。

もう明日は福岡に発つんだから、ウジウジと悩んでいる暇はない。

時刻は午後九時四十分。

まさかもう寝てるとか、ないよね。

いくら今日は先生たちだけとはいえ、宿泊学習のシミュレーションならお酒飲んだりとかしてないだろうし。

真面目な友也だから絶対、それはない。

携帯電話とにらめっこすること数分間。

早くしないと、さすがに十時過ぎて電話するのは迷惑だろう。

深呼吸して、ショートカットで設定してある友也の番号を表示させた。

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