いつか、きっと。
「明日美!」

…………なんで。

なんでこんなところにいるのよ。

友也。

「駅まで送るけん、乗れよ」

友也が送ってくれると言うのに、断る方法があるのなら教えてほしい。

どうして私が駅まで行こうとしてると知ってるのとか、なんでこんなに早くかえってきたのとか、疑問だらけなのに。

「……うん」

私の心とは裏腹に口からは勝手に肯定の返事が飛び出し、足は自然と友也の車に向かって歩き出していた。

傘をたたんで助手席に乗り込む。

あの日、未来とファミレスで話をした後に家まで乗せてもらった時以来だ。

「私なんかに構っとる暇あると?今日は未来と……」

妊娠の事実を言うわけにはいかないんだった。

それだけは気を付けないと。

「未来や、他にも何人かと……大事な話し合いのあるとじゃなかと?」

家族も一緒に、なんて言わない方がいいだろうと思い、変な遠回しな言い方をしてしまった。

「……なんで明日美が知っとると?」

「⁉️なんでって……。昨日未来と電話で喋ったけん」

「青柳さんと……」

『青柳さん』だなんて、私の前だから気を遣ってくれてるの?

そんな気遣い無用なのに。

「明日美はなんか聞いとる?今日の集まりについて」

「ま、まさか!何人かで集まるってことしか、全然……」

やだ、私に聞かないでよ。

つい全部ぶちまけてしまいたくなるじゃない。

「俺もな……四人で集まるってくらいしか知らんっさな。本当は俺、明日美にも来てほしかったっけど。まさか今日から佐世保とは」

え、佐世保!?

ああそうか、おばちゃんから聞いたのね。

そうだった忘れるところだった。

ちょ、ちょっと待って!

私も!?関係ないのになんで私まで……。

だけど四人って、六人の間違いじゃないかな。

友也と未来、それに両親たち。

そうか友也の両親は昨日、未来の両親と会っているんだから。

今日は未来と友也と未来の両親、四人ってことなのかも。

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