いつか、きっと。
「うーん、どうかな。一週間くらいじゃなかかな?課長の都合で延ばされるかもしれんけん、ハッキリとは分からんけど」
ごめん友也。
一週間で帰れるわけがない。
でも今は本当のことは言えない。
「明日美が帰ってくるとば待っとるけん。そん時は俺のために時間作ってくれるか?」
友也、何を考えているの……。
私のことを待ってるだなんて、そんなこと言っていいの?
返事に困るけど、ここでは受け流しておいた方がいいのかな。
「なんか分からんけど、OK」
友也が変に思わないように、にっこりと微笑んで見せた。
かもめ広場の巨大スクリーンには映画の予告編が映し出されている。
友也と一緒に映画を観に行った思い出が蘇ってきた。
高三のクリスマスデートの時。
私が観たかった恋愛映画を一緒に観てくれた。
あの主人公の女性のように深い愛情を注げるのかなって思ったけど……。
私たちには雨がお似合いだから、私は友也の心に優しく降る雨になりたい。
友也の心を雨となって潤すことができたらいい。
梅雨に入ったばかりだから、これからしばらく雨が多いだろう。
でもその雨だってずっと降り続くわけじゃない。
私の心に降っている雨もいつかは止むだろう。
そして、私の心にもいつか大きな虹がかかるはず。
「私ね、思うんだ。友也は絶対に素敵なパパになれるよ」
未来ごめん。
妊娠の事告げる訳にはいかないけど、いきなり聞いたら驚いちゃうかもしれないから、ちょっとヒントだけ与えさせて。
「…………明日美?」
不思議そうに私を見つめる友也の顔を、これで見納めだと思い私も見つめ返した。
ずっとイケメンじゃないと言い続けてきたけど、私はイケメンが好きな訳じゃない。
友也のことだけがずっと好きだった。
男らしい眉毛。
つぶらな瞳。
愛嬌のある鼻。
何度も何度もキスをくれた愛しい唇。
どうしよう、涙が込み上げてきそう。
もうこれ以上見つめる事はできない…………。
友也、伝える事は出来なかったけれど、私……。
大好きだったよ。
世界中の誰よりずっと。
堪えていた涙が溢れ出しそうになり、誤魔化すために慌てて傘を閉じて屋根の下に入る。
そのまま友也に背を向けて、改札口の方へ歩く。
「明日美っ!」
呼びかけられつい立ち止まってしまったけど、振り返ることはできない。
もう、溢れ落ちてしまった涙を止めることなんてできないから。
「友也、元気でね!バイバイ!!」
友也にも私が泣いてしまっていることは、気付かれているんだろうけど。
これ以上情けない姿を見せたくないから……。
精一杯明るい声で、友也に別れを告げた。
再び歩き出す。
友也のいない場所、福岡へと向かって。
友也の今の状態を見ることはできないけど、まだ見送ってくれてるはずだから、真っ直ぐに上げた手を大きく振った。
ごめんね……。
今はまだ友也と未来のこと、祝福なんて出来そうにない。
だけど私だっていつまでも泣いてるつもりはないから。
今だけ、少しだけ泣かせてね。
いつかまた、笑って会える日が来ることを信じて……。
いつか、きっと。
終。
ごめん友也。
一週間で帰れるわけがない。
でも今は本当のことは言えない。
「明日美が帰ってくるとば待っとるけん。そん時は俺のために時間作ってくれるか?」
友也、何を考えているの……。
私のことを待ってるだなんて、そんなこと言っていいの?
返事に困るけど、ここでは受け流しておいた方がいいのかな。
「なんか分からんけど、OK」
友也が変に思わないように、にっこりと微笑んで見せた。
かもめ広場の巨大スクリーンには映画の予告編が映し出されている。
友也と一緒に映画を観に行った思い出が蘇ってきた。
高三のクリスマスデートの時。
私が観たかった恋愛映画を一緒に観てくれた。
あの主人公の女性のように深い愛情を注げるのかなって思ったけど……。
私たちには雨がお似合いだから、私は友也の心に優しく降る雨になりたい。
友也の心を雨となって潤すことができたらいい。
梅雨に入ったばかりだから、これからしばらく雨が多いだろう。
でもその雨だってずっと降り続くわけじゃない。
私の心に降っている雨もいつかは止むだろう。
そして、私の心にもいつか大きな虹がかかるはず。
「私ね、思うんだ。友也は絶対に素敵なパパになれるよ」
未来ごめん。
妊娠の事告げる訳にはいかないけど、いきなり聞いたら驚いちゃうかもしれないから、ちょっとヒントだけ与えさせて。
「…………明日美?」
不思議そうに私を見つめる友也の顔を、これで見納めだと思い私も見つめ返した。
ずっとイケメンじゃないと言い続けてきたけど、私はイケメンが好きな訳じゃない。
友也のことだけがずっと好きだった。
男らしい眉毛。
つぶらな瞳。
愛嬌のある鼻。
何度も何度もキスをくれた愛しい唇。
どうしよう、涙が込み上げてきそう。
もうこれ以上見つめる事はできない…………。
友也、伝える事は出来なかったけれど、私……。
大好きだったよ。
世界中の誰よりずっと。
堪えていた涙が溢れ出しそうになり、誤魔化すために慌てて傘を閉じて屋根の下に入る。
そのまま友也に背を向けて、改札口の方へ歩く。
「明日美っ!」
呼びかけられつい立ち止まってしまったけど、振り返ることはできない。
もう、溢れ落ちてしまった涙を止めることなんてできないから。
「友也、元気でね!バイバイ!!」
友也にも私が泣いてしまっていることは、気付かれているんだろうけど。
これ以上情けない姿を見せたくないから……。
精一杯明るい声で、友也に別れを告げた。
再び歩き出す。
友也のいない場所、福岡へと向かって。
友也の今の状態を見ることはできないけど、まだ見送ってくれてるはずだから、真っ直ぐに上げた手を大きく振った。
ごめんね……。
今はまだ友也と未来のこと、祝福なんて出来そうにない。
だけど私だっていつまでも泣いてるつもりはないから。
今だけ、少しだけ泣かせてね。
いつかまた、笑って会える日が来ることを信じて……。
いつか、きっと。
終。