いつか、きっと。
「…………友也と同じ、かなぁ~?」

まだ受けられるとは決まった訳じゃないし、ハッキリと断言はできないけど。

そういう希望を持って勉強頑張ってきたんだよってことを伝えたかった。

「…………俺とだって!?」

返ってきたのは期待したような反応とは違っていた。

驚いた、というよりも……困惑したような表情だ。

「な、なんで?変かな」

「言うとくけど、俺が受けるとは……男子校ぞ?」

えっ…………?

ちょっと待って!?

「だ、男子校に行くと!?」

「うん、そうけど。南海に特待生で行けるかもしれんけん。そのために準備ばしよるとこ」

南海高校………。

私立の進学校だ。

確かにあそこはテニスも強いし、友也だったら特待生も納得だ。

まさかの男子校……。

なんだか知らないけど、裏切られたような気持ちになる。

「明日美は最近頑張りよるけど、公立五校でも狙っとると?」

友也がそうだとばかり思ってたんだけど。


公立五校。

県立高校の中でもランクが高い進学校のことを指している。

ちなみに、壱高校、弐高校、参高校、シーボルト高校、グラバー高校。

以上の五校のことだ。

「目標は高く!五校ば受けられるくらい成績ば上げとけばよかかなって思って。そしたら五校じゃなくても好きな学校ば選び放題やろ?」

まさか友也が五校を受けると思ったから私もそのつもりだったなんて、言えない……。

「明日美が五校とは。似合わんと思うけど?」

「似合わん!?なんで?私はバカやけん五校は無理って言いたかと?」

ちょっと……。

それって酷くない!?

私だって勉強頑張ってきたのに。

友也だって私の成績が上がったこと、喜んでくれたじゃない。

「そがんこと言うとらんたい。よう考えてみろよ。明日美は大学に行く気あっとか?」

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