いつか、きっと。
友也がもしも共学に行くことになってたら、同じ学校の女子たちが羨ましくて仕方なかっただろうと思う。

南海が男子校で良かった。

私が通うJ商業は女子校だし。

友也も余計な心配しなくていいよね。

って、それじゃまるで友也が私のことを好きだと決めつけてるみたいだけど。

そうだったらいいのにな……。

友也とせっかく同じ中学だったのに、私たちの関係は?

なにか進展したんだろうか。

良くも悪くもなっていない現状維持といえるのかな。

親友というポジションは保っているつもりだけど、実際のところ友也はどう思っているんだろうか。

今までは同じ学校だったから毎日一緒にいられたけど、これからは別々の学校に通うことになるんだよね。

まだ実感がわかなくて、ただただ不安に感じている私。

今日の卒業式が、事実上のサヨナラになってしまうんじゃないかって思ってしまったり……。

大丈夫だよ!

そんな弱気じゃダメダメ。

そう自分に言い聞かせ、卒業式へと一歩踏み出した。





──卒業式後。

教室に戻って最後のお別れをした後、友達や部活の仲間と思い思いに中学生としての最後の一時を過ごした。

この三年間はとてもかけがえのない思い出として私の心に刻み込まれるだろう。

小学六年生の時に引っ越して、転校してきた時にはまだこの中学に通うことになるとは思ってなかった。

新しい友達もたくさん出来たし、部活ではソフトテニスも頑張った。

いろんな出来事が思い出されては胸が熱くなる。

「明日美!一緒に写真撮ろうよ!!」

真実と京子がカメラを手にして駆け寄ってきた。

ああ、この二人ともお別れなんだな。

転校してきてしばらくは友達と打ち解けられずにいたけど、夏休みに花火大会に誘われたのがきっかけでみんなと仲良くなれたことを思い出す。

「ねぇ、三人一緒に写ろうよ最後なんだし!ちょっと待っててねカメラマン連れてくるから」

真実が来た道を戻るように駆けていってしまった。

「真実ったら、最後まで元気だなぁ」

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