いつか、きっと。
「……明日美と真実に今まで隠しとった事のあるとけど、写真ば撮った後で私の話ば聞いてもらってもよか?」

京子が私に向かって言った。

私たちに隠してることって、なんだろう?

「うん、よかよ。京子からの告白?何か知らんけど気になる!真実が戻ったら写真撮って、その後ゆっくり喋ろうか」

向こうからやって来る真実の姿が見えた。

町田くんの手を引っ張りながら走ってる。

「ごめん二人ともお待たせ!」

あの修学旅行ですっかり親しくなった二人。

一緒に観覧車に乗ったときに町田くんの方から真実に『付き合って』と言ったらしい。

今ではみんなが知ってる仲良しカップルだ。

「はいはい三人とも並んで!俺も忙しかけんチャッチャと撮るばい。みんなあっちでも写真撮りよるけん早よう早よう!行くぞ?はいチーズ」

町田くんは自分も友達と写真を撮りたいからって、慌ててまた戻っていった。

「私たちも行く?最後だから男子とも写真撮ろうか」

「待って、真実。その前に二人に話したかことのあると。聞いてくれる?」

京子が町田くんの後を追って走り出そうとしていた真実を引き留めた。

さっき言ってた例の告白、とうとう来た!

真実も不思議そうにしながら私たちの方に向き直ったから私も京子の話を聞く態勢を整えた。

「実はね、ずっと内緒にしとったとけど私ずっと前から好きな人がおって、その人と中学生になってからずっと付き合ってるんだ」

え?えええええええ!?

思わず真実と二人顔を見合わせた。

真実はとても信じられないと言いたげな驚いた表情をしていた。

私もきっと同じような顔をしているだろう。

「知らんかった!!もう~なんでもっと早ようゆうてくれんかったと?で、その人って誰?私たちの知っとる人?」

真実が興奮気味に京子に聞いた。

私もすっごく気になる!

まさかこんなすごい告白だったなんて、予想もしてなかった。

「二人とも知ってるよ。同じ学年、同じクラスだし」

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