いつか、きっと。
親友と親友
「未来ー!良かった同じクラスだよ」

「本当に?明日美と一緒なんて久しぶりで嬉しか!」

J商業高校に入学した私は、親友の未来と同じクラスになれて喜んでいた。

同じ中学からの友達とはクラスが分かれたから未来と一緒でホッとしている。

新しい学校は知らない人ばかりで、これからみんなと仲良くなれるのかドキドキだ。

小六で転校したあの時を思い出したけど、あの時とは違う。

転校した時は未来と別れて友也と仲良くなった。

今は逆みたいだけど、友也とは家が隣同士だから完全に離れてしまった訳じゃない。

「ねえ、未来と同じ中学の友達は?クラスにはおると?」

「えっ!?中学の友達は……仲良かった人は全然おらんよ。他のクラスにも特にはおらんし。新しい友達のいっぱい出来ればよかね!明日美、中学で遊べんかったけど高校ではよろしくね!!」

「うん、もちろん!私も嬉しかとよ未来と同じ高校で。よろしくね!!あ、そうだ未来は部活どうすると?」

私は高校でも友也みたいにテニスを続けたかったけど、J商のテニス部は硬式しかなかった。

ソフトテニスとは勝手が違うし、高校の部活となったらお遊びみたいな軽い気持ちじゃ出来ない気がしたから、テニス部に入るのは断念した。

ちょっとだけ興味はあったけど、軟式から硬式に転向するなんてなんだか友也を裏切るような気もしたし。

「明日美はテニスじゃなかったらどうすると?出来れば一緒の部活に入りたかって思うけど」

「私はね、就職のためにパソコン出来る様になりたかし、パソコン部にしようかな?」

「パソコン部、私もいいなって思いよったと!じゃあ決まりだね」

友也は自分の夢に向かって頑張るって言ってたし。

私も将来のために出来ることを頑張らないとね。

大学進学ではなく就職希望なんだから、そのための準備を高校でやらなきゃいけない。

友也のアドバイスもあってJ商に来たんだから、希望通りM重工グループに就職できるようにしないと。

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