いつか、きっと。
『今日は部活早退して定期券を買いに行くけど、明日美は時間ある? ともや』

これは、まさかのデートのお誘い?

『あるよ!私も定期券買う。待ち合わせしようか? あすみ』

あとで返事来るかな!

ついメールの画面を見つめてニヤニヤしてしまうのが分かるけど、止められない。

「ちょっと明日美どうしたの?なんか良い事でもあった?」

やばい!

未来に指摘されてやっと緩みっぱなしだった表情を戻す。

「あ、中学の友達から久しぶりにメール来たと。今日私定期券買わんばけん部活休むね!」

「私は明日買おうと思っとるとに。ま、いーや。先輩には私から休みって言うとくよ」

私、嘘はついてないよね。

だって友也だって中学の友達に変わりないんだし。

ただちょっと後ろめたくて友也と今日会う約束したってことを言わなかっただけ。

ほら、友也に次の試合の事聞かなきゃいけないし!

まだ未来を連れて行きたいってことも言ってないんだし……。



夕方五時半頃にバスターミナルの定期券売り場で待ち合わせすることになった。

私が早く着いたから先に定期券を買って待つ。

早すぎたなぁ……。

どんだけウキウキしてるんだろう私。

「あれ、俺が早かと思ったとに」

友也も時間より早く来てくれた。

定期券を買うのを待ってお茶でもしようと歩きで移動。

浜の町にはいろんなカフェがあるけど、今日は私の希望でサンマルクカフェに行くためアーケードを歩く。

こうして並んで歩いていると、まるでカップルみたい。

他にも制服の高校生カップルがチラホラ目に入るし。

まさか私たちがただの友達なんて、知らない人にはわからないことだよね。

中には手を繋いで歩いているカップルもいるけど、私たちは親友だから手なんか繋いだりするわけないし。

「友也、定期券買うときは部活早退できるとね。よか事ば知った気のする」

「うん、ペア組んどる先輩が今日買いに行くって言いよったけん合わせたっさ。じゃ来月も待ち合わせる?」


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