いつか、きっと。
え、来月もこうして学校帰りに会えるってこと?

「よかと?そんならまた待ち合わせしよう!定期券買う日ば前もって教えてくれれば合わせるけん!」

「よかよ。なるべく早めにメールすっけん」

心の中でガッツポーズ。

友也からそんな風に誘ってくれるなんて嬉しい。

ついニヤニヤしそうな顔がばれない様にちょっと俯き加減でサンマルクカフェに入る。

チョコクロワッサンとカフェオレを二人で堪能しながら、私はここぞとばかりにテニスの応援について切り出した。

「ねえ友也、次の試合っていつあると?私のもう一人の親友ば今度は連れて行けたらよかなって思っとるとけど」

「親友って、同じJ商の?小学校からの友達やったっけ。連れて来てくれるとなら大歓迎ばい。ちょうど良かったっていうか……」

え、本当?

この前とは全然違う答えにビックリした。

「未来が『楽しみにしとる』って言うけん断られんで良かったけど、でもなんで?」

「そいがさ、田代先輩が……。明日美のこと気に入ったごたるとさ」

「田代先輩って、もしかしてあの先輩?」

試合を見に行った時に挨拶したんだけど『ドストライク』とか言われてしまったのを思い出した。

「俺としては面白くなかけど、先輩やし。明日美が友達連れて来てくれたら、先輩も喜ぶかもしれんって思うっさね。その友達、彼氏はおらんと?」

『面白くなか』って……。

それって嫉妬してくれてるの?

だとしたら嬉しい。

やだ、またニヤニヤしてしまいそう。

「未来は彼氏はおらんよ。南海の人と素敵な出会いば期待しとるって言いよったし。その田代先輩が未来を気に入るかどうかは知らんけど」

田代先輩、結構イケメンだったからね。

未来が好きそうなタイプだと思うけどな。

「じゃ、田代先輩に言うとくけん。これで先輩のモチベーションの上がれば俺達ペアの調子も上がるやろうし、絶対に勝ってやる!」

そっか、やっぱりあの先輩とペアだったんだ。

先輩と仲良しっていいよね。

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