いつか、きっと。
夏休み中もお互い部活があるから会える時間も少ないんだろうな。

友也がもしテニスをやってなかったら、もっと一緒にいる時間があったのかな。

ダメだよそんなこと考えちゃ。

友也はテニス特待生として南海に通っているんだから。

それは友也が望んでそうなったんだし、友也の喜びは私の喜びでもあるんだから。

私たちもし付き合ってたりしたら、もっと会う時間が欲しくなって友也を困らせることになってたのかもしれない。

私たちは親友なんだから。

そう思う事で私の心にもブレーキをかけることができるのかも。

「明日美、定期券いつ買う?今度は明日美に合わすっけん、早めにメールしてくれんかな」

「そっか!もうすぐ月末たいね。あっはは、忘れとったばい。やったね!」

あ…………。

またすぐデートできるんだって分かって嬉しくなっちゃった。

現金だなぁ、私ったら。

友也にもきっと呆れられて……。

「明日美は笑った顔が一番よう似合うとる」

…………え?

いつも穏やかで優しい眼差しを向けてくれる友也だけど、今私に向けられている笑顔はいつも以上に柔らかく私を包み込んでくれている。

そんな気がした。

「寂しげな明日美ば見たら俺まで寂しか気分になるっさね。いつでも俺が明日美ば笑顔にしてやりたか」

ちょっ、ちょっと!

友也ったらまた私を勘違いさせるような発言を……。

「ありがとう友也。私いつも友也のお陰で元気ばもらいよるよ。友也がテニス頑張っとるけん、私も見習わんば!」

うん、これでいい。

友也は私にとって大事な親友。

私だって友也のために役に立ちたい気持ちは持ってるんだから。



**********



夏休み中はパソコン部に出たり、未来と遊んだり、久しぶりに真実や京子と会ったりして過ごした。

未来は田代先輩と何回か会ってたみたいだけど、どんな感じなのか聞き出そうとしてもあまり話したがらなかった。

先輩も友也と同じでテニス頑張っているんだし、付き合っても会える時間は少ないよね。

メールはよくしてるみたいだし。

仲良しなのは私も嬉しい。

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