いつか、きっと。
「明日提出せんばとはここと隣のページとその次のページ」

「で、どこまで進んどると?」

「へ?どこまでって……。今から始めるとこけど」

私をじっと見つめてきた友也にまたドキッとしてしまうけど、ため息をつかれてしまった。

「……明日美ってそがんとこあるよな。いつも苦手か宿題とか後回しでギリギリやったやろ」

……その通り。

図星すぎて返す言葉が見つからない。

「もっと早よう言えばよかとに。いつもメールしよっても、なんか遠慮しとるんかなって思いよった。そんじゃ、チャッチャと片付けるか!まずこういう問題ば解く時の考え方はな……」

メールのこと、バレてた!?

いろいろ確かめたくなったけど、今は課題に集中しなくちゃ。

友也がこんな風に私のために時間を割いてくれてるんだから。

友也の説明はとても分かりやすい。

授業を聞いているときは分かった気になってたけど、あとで自分の力で問題を解こうと思ったら上手く解けなくてやる気をなくしてたんだよね私。

友也先生の個人レッスンのお陰で課題の三分の二をサクサクと終わらせることができた。

「ふぁー!あとちょっとだ!!」

最後のページに取り掛かろうとしたところで友也が言った。

「そんじゃ明日美がちゃんと理解できたか確認せんば。残りの問題は自分の力だけでしてみろよ。俺は黙って見とくけん。はい、始め!」

え!友也先生意外とスパルタ!?

見られてたら余計に緊張しちゃうんだけどな。

でもせっかく教えてもらったんだし、私だってやればできるってとこ見せなくちゃね。

ここはふざけたりしないで真面目に問題を解かなくちゃ。

「…………で、できた!!どう?友也」

ちゃんと教わったようにやってみたけど、どうかな。

私的にはちゃんとできてると思うんだけど……。

「なんだ簡単にできてるじゃん。本当に苦手やったと?そうは見えんやったけど」

「え!本当に?簡単に解いたように見えた?それって友也が分かりやすく教えてくれたけんさ。自分でもビックリした」

< 69 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop