いつか、きっと。
「この調子で中間テストも頑張ろうな!」

うっ、そうだった。

中間テストのためにも勉強頑張らないといけないんだった。

でも中間テストの前に、とっても気になるイベントがある。

「ねえ友也。テストの前におくんちあるけど。友也はどうすると?おくんち行くと?」

十月の七日から三日間、長崎くんちという心躍るお祭りがあるのだ。

しかしテスト前っていうのが足枷となって、おくんちを思いっきり楽しめないシステムとなっている。

「そうさな……。全く行かんともつまらんし。かといって遊んでばっかりもおられんしな。みんながおくんちで遊んどる間に頑張って成績上げときたかって思うし。できれば明日美と行きたかとこけど、今はまだ時期尚早やし」

は?

時期尚早ってなんのことだろう。

高校卒業するまではおくんちにも一緒に行けないってことかな。

「ふーん。私もおくんち行かずに勉強しよっかな。友也に負けてばっかりも悔しかし」

「じゃあさ、今度の定期券買う日は一緒に図書館にでも行って勉強しよーで。明日美の苦手科目特訓大会」

「本当?みっちり教えてくれると?なんか受験前ば思い出すね!あんときは必死で頑張ったとば思い出すばい。でもさ、私は嬉しかけど友也はよかと?友也だって自分の成績のために頑張ろうと思いよるとに、私が邪魔したら悪かよ」

そうだよ、いくら友也は頭がいいからって。

友也だって自分の夢のために勉強頑張ってるはずなのに、私のために友也の勉強が疎かになったら申し訳ないよ。

「俺の頭脳は一日くらい明日美のために時間使っても平気かけん心配すんな。それに明日美に教えながら復習にもなるけん、俺にとっても有意義な時間であるとは間違いなか。部活のあってなかなかじっくり時間取れんでごめんな?」

「そがんことなかって!!私はこがん風に友也が私の事気にしてくれるだけで嬉しかし。ありがとう友也。じゃあ月末の定期券の日はよろしくお願いします、先生」

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