いつか、きっと。
「は?フラれたって、一体誰によ……」

「こないだ勉強とか言うて御子柴さんとこに行ったろ?友也くんといい感じかと思えば、図書館で勉強したりって色気なかねって思いよったとばい。友也くんばおくんちに誘って断られたんじゃなかと?それで失恋の悔しさばバネに勉強に打ち込んだとか……」

はぁ。

お母さんらしい考え方かも。

「そもそも私と友也はそんがんじゃなかけん。親友はフラれたりせんけん安心してくれんね」

「ふーん、あっそう。でも友也くんと勉強したおかげでこんがん成績の上がったとやったら、またお願いせんばいけんね。御子柴さんにもようお礼ば言うとかんば!」

ま、まあいいや。

私の成績が良くなったらこんなに喜んでくれるんだから。

これからももっと頑張ってみんなから凄いと思われるようになろう。

私ってやればできる子なんだから!

お父さんにもお母さんから話してくれるだろうし。

忙しくてゆっくり話す暇もないけど、きっとお父さんも喜んでくれるはず。



その夜、友也に電話してみた。

「もしもし友也!中間テストめっちゃ良かったよ!!友也のお陰ばい、ありがとう」

『そうか、良かったな!!俺のお陰じゃなかさ、明日美が自分で頑張ったけんたい。でも俺のアドバイスがちょっとでも役に立ったとなら良かった』

「いやいやいや、友也と一緒に勉強したけんに決まっとるよ。でもいつまでも友也ば頼ってばっかりでも悪かし、私ももっと自分で何とかできるごとならんばね」

『……いつまでも頼ってくれてよかとけど?』

えっ、やめてよまたそういう発言。

私の事をすぐに甘やかそうとするんだから。

「たまには私が友也に頼られたか……」

私だって友也の役に立てる事があればいいのに。

まあ、ないだろうけど。

『マジで頼ってもよかと?実は明日美に話したかことのあっとけど。テストの終わるまで待っとったっさ。月末の定期券の日にさ、俺んちで二人きりで……よかか?』

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