いつか、きっと。
そして、やって来た月末。

定期券を買いに行く約束をしている金曜日を迎えた。

友也が言ってた私に話したいことって何だろう。

いつもなら浜町のどこかのカフェでお茶するって感じだけど、今回は友也の家でだって。

外だったら誰かに会うかもしれないから?

真実と町田くんカップルに邪魔されたこともあるし……。

そんなに深刻な話なのかな。

そう考えると何を言われるんだろうって緊張してきちゃう。

嫌な話じゃなければいいけどなぁ……。

今から心配したってしょうがないよね。

どんな話なのかは実際に会ってからじゃないと分からないんだから。

あんまり気にしすぎないようにしよう!

友也と二人きりで会える時間が私にとっては貴重なんだから。

二人きり……友也の部屋で……。

やだ、何を意識してるの!!

この前の勉強の時だってそうだったじゃない。

部屋では二人でも、家にはおばさんがいるんだろうし。

それに話が済めばさっさと帰らないとね。

明日の準備もしないといけないんだから。




「明日美、今日は部活行くと?」

「ごめん未来、今日は休むけん。あのね、今日は定期券ば買わんばけん……」

「ああそうか、もしかして友也くんと会うと?」

え、どうして!?

毎月友也と会ってること、未来には言ってないのに。

でもここで否定するのも変よね。

「うん。今日は友也が私に用事のあるって言うけん会うよ。何の用事かは知らんけどね」

「ふぅーん。友也くんみたいな親友がおって、明日美はよかね。友也くんって頼りになるごたるし」

「えっ、まあ頼りにはなるかな……。って!私にとっては未来も親友ばい。未来の事だって頼りにしとるとやけんね!」

「……そう?ありがとう明日美。明日は楽しみだね」

ちょっと寂し気な微笑みの未来。

私何か未来の気に障るような事を言ってしまったんだろうか?

たまに遠くを見るような心ここに在らずって感じの未来が気になるけど。

それよりも今は友也のことが私の心を占めていた。

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