いつか、きっと。
「マジか!俺としては親には嘘つかん方がよかと思うけどな……。俺が一緒におばちゃんたちに言おうか?」

「ごっごめん、それはちょっと困る。友也には迷惑かけんごとするけんうちの親には……」

「うーん、どうすっかなぁ」

友也意外と融通が利かないところあるんだよね。

頑固というか、こうと決めたら何がなんでもこう!みたいなところがある。

だからといってココだけは私も譲る訳にはいかない。

「うちの親に本当のことば言わんばとなら、私はこの話には乗れんけど?」

何やら考え込んでいた友也が私の発言に敏感に反応した。

私が異を唱えるとは思ってもいなかったんじゃないかな。

急に焦ったように私を見た。

「わ、分かった!俺の考えばっかり押し付けてごめん。明日美が乗ってくれんば俺も困るし、しょうがなか。でもうちの親には正直に言うけんな」

「うん……分かった。でもお母さんたち仲良かけん、バレんごとしてほしかとけど」

「そうさなぁ……。うちの母ちゃん絶対言いそうやけん釘さしとかんとな。なるべく早目に言うけん」

「ありがと。じゃあ私も早目がよかよね。今夜にでも」

「え!?今夜って早すぎやろ!俺の心の準備が……」

こんな大胆な提案しといて、何言ってるんだか。

「だって私明日は家におらんし、だけん言い逃げって訳じゃなかけど空白ば作りたい気分けど」

私も友也のこと言えないな。

自分はいろいろ突っ込まれる覚悟がまだ出来てないんだから。

「明日はおらんって、なんで?夜もおらんってことか?」

そう明日は私、外泊だから。

「うん。一年生恒例行事の宿泊会なんだ。普段は運動部がよう使いよる学校の合宿棟ですると。夏休みの予定が、バレー部の合宿と重なって出来んかったけん、うちのクラスだけまだやったっさ」

それを聞いてまた何か考え込む友也。

「明日美、ごめんけどやっぱり今夜話すとは待って。その合宿のあとにしてくれん?」

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