いつか、きっと。
未来と友也。

女の子と男の子だしタイプは全く違うけれど、どちらも大事な友達。

「あー()よう中学生にならんかなー。ねえ、中学はまた一緒やろ?中学生になったら前みたいに一緒におられるよね?明日美」

「え?うん、もちろん!私だって未来と同じ中学に行くと楽しみやもん」

良かった……。

未来も私と同じ気持ちでいてくれるんだ。

「ね、昼からプールに行かん?」

「よかよ。そしてさ未来、今日泊まれば?おばあちゃんがいつでも泊まってよかって言いよったけん。泊まらんね」

せっかく未来と過ごせる夏休みなんだから、思いっきり楽しまないと損だよね。

「え、よかと?泊まりたい泊まりたい!!一回家に帰ってお母さんに聞いてみる。うわー楽しそう!そうと決まれば水着とお泊まりの用意ばしてこんば!!」

「じゃ、おばあちゃんに言ってこよう。私も用意しながら待っとくね」

その日は一日中、未来と一緒に過ごして楽しかった。

中学生になったらまたこんな楽しい時間をたくさん過ごせるんだろうな……。

「明日美、私たちって"親友"だよね?」

「うん、大事な"親友"だよ!」

こんな楽しい時間は未来とじゃなきゃ過ごせないって、思ってた。この時はまだ。



未来が泊まりに来た日から数日後。

夏休みも残り少なくなり、登校日もあるから自分の家に帰った。

長崎では原爆投下の日、八月九日には学校で平和祈念集会があるため登校日だ。

八月二十一日も登校日になっているため、おばあちゃんちに泊まったのは八月十日から十九日までの十日間。

「明日美おはよう!昨日帰って来たと?」

「おはよ友也。そう昨日帰ったよ。夏休みもあとちょっとやね」

お隣さんだから、当たり前のように一緒に学校に行く。

学校まで歩く間に宿題のことやお互いの夏休みについて話した。

(おい)はもう宿題全部終わったけん、あとは遊ぶだけばい。明日美は自由研究なんばした?」

「……そいが、自由研究だけはまださね」

そう、私は自由研究っていうのが大の苦手なのだ。

前の学校では自由研究っていうくらいだから、やるのもやらないのも自由という感じだった。

だからなんとか逃れてきたんだけど、今の学校はそうはいかなかった。

「マジか!あと十日しかなかぞ?どがんすっと?」

「今までやってこんかったけん、何ばどうすればよかとか分からんとさ。友也、手伝ってくれん?」

ダメ元で友也に助けを求めてみた。

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