いつか、きっと。
ま、まあ確かに。

今日こんなこと話し合ったばっかりで、私の心も落ち着いてはいない。

明日いないから色々聞かれずにすむとは思ったけど……。

「分かった。じゃあいつ話せばよかかは友也が指示して。それまでの間に私も心の準備ば整えとくけん。宿泊会終わらんば落ち着かんと思うし」

「お、おう。明日美がおばちゃんたちにカミングアウトしてもよかごと俺も準備万端整えるけん待っとって」

「……準備万端?ああそっか、友也がおばさんたちに話して、うちのお母さんたちには『フリ』って言わんごと口止めしてくれるってことか」

「そうそう。……ところで明日の夜におばちゃんとおじちゃんまで家におらんって訳じゃなかとやろ」

なんでそんなこと気にするんだろう友也。

「おらんとは私だけばい。きっと久しぶりに夫婦水入らずで嬉しかとやろうなー。たまには私がおらんとも親孝行たいね」

その後、田代先輩と未来にはいつ言うかを相談した。

未来には宿泊会で話す時間があるだろうからってことで、明日打ち明けることになった。



宿泊会の夜、未来と二人で話すチャンスが……。

この時を逃してはいけないとばかりに、友也と付き合うことになったと打ち明ける。

「えっ!マジで!?ずっと明日美は友也くんのこと"親友"って言い張りよったろ?私は絶対好きやろって思っとったばい!!良かったねー。明日美が友也くんに告ったと?」

う……。

聞かれるだろうなとは思っていたけど……。

「そっそれがね、実は私じゃなくて、友也からなんだ!友也から『彼女になって』って言われたとさ」

……偽者のね。

「へぇー。友也くんも実は明日美のこと好きやったとばいね!そっかそっか良かったたい。明日美たちが"カレカノ"になったとなら、私もテツ先輩と付き合ってもよかかなぁ……」

お、未来がその気になってきた!

こんなに簡単に上手くいっていいのかな。

これで未来と田代先輩が"カレカノ"になれば、友也も安心するだろうな。

未来は私と違って偽者なんかじゃなく本物の彼女、だけどね。

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