いつか、きっと。
あ……。

つい本音を漏らしてしまった。

これじゃ私の本当の気持ちバレバレなんじゃ……。

「そんならまだ帰らんでよかよな。どっちみち父ちゃんと母ちゃんもしばらくの間は世話ナシやろうし」

「うん、今日は久々の飲み会って盛り上がっとるごたるもんね。いっときは放っとってよかよ」

あっちの部屋から楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

私たちのことなんて気にもしていないだろう。

友也も同じことを考えていたのか、すっかりリラックスモードだ。

私の部屋でこんな風に友也と二人でくつろいでいるなんて。

会話はそんなに弾んでいないけど、この空間が心地よくて安らぐことが出来る。

「な、明日美。ちょっと聞きたかとけど、高校生らしい節度ある付き合いってさ……」

節度ある……付き合い?

私たちの事を言ってるんだよね。

「どこまでがOKって思う?」

「へっ?どこまでって……何が?」

「いや、だけんさ、俺たちってもう」

……何が言いたいんだろう、友也。

その思いをどうにかして探ろうと友也の顔をガン見していたら、いつの間にか距離を詰められてた。

私は壁際というか、角っこに座っていたからどこにも逃げ場がない。

「明日美……」

おまけに壁に手までつかれ、友也に閉じ込められた形になった。

「と、友也……?」

名前を呼んでも返事しないし、ただ私を見つめているだけの友也。

友也の視線に捕らわれ、動けない私。

ジッと二人見つめ合ったまま、少しずつ友也の顔が近付いてくる。

息づかいをハッキリと感じられるくらいにまでに超接近……。

もうそろそろ目を閉じた方がいい?

心臓は爆発しそうなほど激しく鳴り響いてるのに、頭の中は妙に冷静なのが不思議だけど……。

もう今にも唇同士が触れ合おうかとしたその時。

まさかの事態が起きた。

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