それでも、愛しています・・
「ぅわっ・・・」


えぇ・・・ど、どうしよう


そうこうしてるうちにもスマホは震える。


あーーもう、仕方ない。


ドッキドキしながら、電話に出る。


「はい・・・」


「あっ!まひとー?電話出た!誰か女の子!おい!」


電話口でなにかやり取りしているらしく、男性の声が二つ聞こえる。


「悪い、それ俺の・・・今から取り行くから待ってて」


「えっ・・・私がっこ・・」


言いかけたところで強制的に電話が切られてしまった。


えぇ・・・なにこの人、一方的すぎる!


まひとって呼ばれてたよね・・?いつくるんだろう。


このまま無視するわけにもいかなくて、仕方なく私は彼を待つことにした。


まだ人が少ないカフェのBGMが静かに流れるこの空間はやっぱり好きだ。


甘い抹茶フラペチーノを飲んで彼のスマホを見つめた。


暫くすると、足音がこちらに近づいてくるのが聞こえて、


彼だと確信し、スマホをもって立ち上がった。


「・・・それ俺のスマホ」


「あぁ、はい・・・どうぞ」


今行くって言って20分は待ったと思う。


なにこの人、すっごい無表情・・・。


彼は「ありがとう」とだけ言ってスマホを受け取ると帰っていった。


せっかく待ってたのにそれだけ・・?と思いつつも面倒でスルーすることにした。


だって、もう関わることもないと思っていたから・・・。


これが私と彼の一番最初の出会いだった。


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