課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
「あ、起きまちたかー? 赤ちゃん」
と言いながら、抱き上げると、羽村が横で、

「……いい加減、名前つけなよ」
と言っていた。

 いや、つけますよ、明日くらいまでには……。

「そうだ。
 聞いてくださいよ。

 羽村の奴、ヘッドハンティングされてるらしいんですよー」
と三上が雅喜に言うのが聞こえてきた。

「ええっ?
 そうなんですか?」
と真湖が羽村を見ると、羽村は、

「いや、ヘッドハンティングとかいう立派なものじゃなくて。
 友だちが会社立ち上げたんだけど。
 僕にも一緒にやらないかって言うんだよ」
と言う。

「お前の友だち?
 詐欺じゃないのか?」
と雅喜がキッチンから、こちらを見て言ってきた。
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