課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
わたくし、仕事に関しては、かなり忠実な部下だったと記憶してるんですが、記憶違いでしょうかね……と思っているうちに、今度は、雪乃が語り出した。
「私ね、おじさんのために結婚しようと思って、羽村さんの釣書を熟読したんですよ。
それから、本人を知ってみようと思って、ちょっと後をつけてみました」
いやいや、その展開の仕方は、ちょっとヤバイ……と苦笑いしながら、真湖は授乳中なので、まだ呑めない日本酒の瓶を眺めていた。
「写真の通り素敵な方で、これはかなりおモテになるんだろうな、と思い、見合いの前に、一言お願いしておかなければと思いました。
そして、話してみたら、写真の通り、ちょっと悪そうな方で――」
おい、と羽村が振り向くが、雪乃は気づかず、しゃべり続ける。
「でも、私が寒い中、会社の外で待っていたら、マフラーをかけてくださったり。
やさしいところもあるんだな、と思いました」
だが、それを聞いた雅喜は、
「つい、モテてしまうようなことをやってしまうのも一種の病気だな」
とぼそりと呟く。
なにやら、根が深そうだ……。
「私ね、おじさんのために結婚しようと思って、羽村さんの釣書を熟読したんですよ。
それから、本人を知ってみようと思って、ちょっと後をつけてみました」
いやいや、その展開の仕方は、ちょっとヤバイ……と苦笑いしながら、真湖は授乳中なので、まだ呑めない日本酒の瓶を眺めていた。
「写真の通り素敵な方で、これはかなりおモテになるんだろうな、と思い、見合いの前に、一言お願いしておかなければと思いました。
そして、話してみたら、写真の通り、ちょっと悪そうな方で――」
おい、と羽村が振り向くが、雪乃は気づかず、しゃべり続ける。
「でも、私が寒い中、会社の外で待っていたら、マフラーをかけてくださったり。
やさしいところもあるんだな、と思いました」
だが、それを聞いた雅喜は、
「つい、モテてしまうようなことをやってしまうのも一種の病気だな」
とぼそりと呟く。
なにやら、根が深そうだ……。