課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
「いや……正直、迷ってるんだけど」
と白状すると、

「まあ、友だちのためにってのはわかるけど。
 俺たちも友だちだから、見捨てないで。

 お前が居ないとつまらないよ」
とあれだけ揉めた過去も気にせず、三上はあっけらかんと笑って言ってくる。

 すごいな、と思っていた。

 このなんにも気にしてない感じもだが。

 もし、居なくなるのが三上だったら、自分も寂しいと思うとは思うけど。

 こんな感じに口に出しては言えないな、と思っていた。

「……三上」
と雅喜が残り少なくなった、さっぱり味のラーメンを前に呼びかける。
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