課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
「えっ?
 決まったんですか?」

「なにかの発表を待つみたいに言うな、お前の子だろう」

 却下もありだ、と雅喜は言う。

「俺は、海って書いて、『かい』がいいかな、と思う」

「……なんでですか?」
と言うと、雅喜は何故か少し赤くなり、

「却下もありだと言っただろう」
と言ってくる。

「いえ、却下はしません。
 そういえば、そんな感じの顔だなあ、と今、思いました」
と雅喜の腕の中の赤子の顔を見ながら、真湖は言った。

「しませんが、なんで、海なんですか?」
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